Temptation

□名取誕! 1
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「ん〜・・残念ながら、その日はファンイベントやら色々あってさ・・会うのは難しいかな・・」

そうだよね
名取さんはいくら好きだよって言ってくれても
俺だけの人にはならない
たくさんの人に愛される人だもん

今頃はたくさんの人に囲まれて
テレビでよく見るような、似顔絵なんかが描かれた大きなケーキに蝋燭が刺さって、それをふ〜っなんて消してんのかな?

窓から外の夜空を見上げながら思う

綺麗に輝く月が祝福しているように
大きな花束やら、プレゼントなんかもたくさん貰ってるのかな

自分が用意できたのは
小さな小さな贈り物で

こんなものは沢山貰って
これより良い物がたくさんあって
すぐに埋もれて見えなくなっちゃいそうだけど

名取さんは、笑顔でありがとうと受け取ってくれるんだ
そうして俺の目の前でちゃんと使ってくれるんだ

「プレゼントは値段じゃないよ、贈ってくれる人が、何が良いかな?喜んでくれるかな?・・使ってくれるかな?・・そういう風に考えて選んでくれて、ましてやそれが大好きな君が贈ってくれたものなら・・とても嬉しいし
大事に使うよ。夏目も同じだろう?」

うん。
名取さんがくれる物はどれも愛情がたくさん詰まっている
本当にそう感じる

早く渡せる日が来たらいい
手の中にギュッと握ったプレゼントに

小さな声で囁く

「名取さん・・大好きです。お誕生日おめでとう」
 

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