だいすきなきもち

□はじけるきもち
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お正月の旅行から久々のお泊り
名取さんから
「ようやくオフをもぎ取ったから、泊りにおいで」
との連絡に喜んで来ている
が、相変わらず電話では・・そうですかとしか言えてない・・
けど、電話の向こうでは笑っていたから気づかれてるんだろうな

電車に乗って、自分の街から都会へ出ると
空気や雰囲気が一変する
鬱蒼とした木々など見当たらず、周りはひたすらビルとお店が立ち並び
夜・・暗闇などとは無縁の世界だ
自分の街では季節の移ろいがよくわかるのに
こちらに住む人は映像でしか確認できないんだろう

早いものではもう、梅の蕾が出来てたりして
可愛いなと今朝登校途中に見たけど
こちらでは満開の梅の枝が店先に並んでいる
不思議な、自分とはあんまり関係ない世界だなと思う

名取さんは今日まで仕事で、帰りも何時になるか分からないとの事
学校から帰り、着替えてご飯も食べてから家を出た
ゆっくり歩きながらマンションに来たので、すっかり日が暮れてしまった

<もう帰ってきてるかな・・?>
とエレベーターの中なのに、ドキドキする
扉の前に着き、預かっているカードキーを差し込み、暗証番号を打ち込んで扉を開けると、光が漏れてきた
<帰ってるんだ!>
嬉しくなって、靴を脱ぎパタパタと中に入り、リビングの扉を開けて
「こんにちは、お邪魔します」
と入ると、すごい綺麗な女の人がびっくりしてこちらを見た
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