だいすきなきもち

□初めての・・・W
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「ほら!修・・パパにいってらっしゃ〜いって」
俺は修樹の小さな手をとって、無理矢理バイバイと振る
赤ん坊の修樹に分かるわけも無く
「パ〜パ・・○×△×」
口から乳首をプッと吐き出して
名取に何か言っている

そんな俺達を、名取はすごく困ったように見ている
いつまでも修樹の小さな足を握り
車に乗り込もうとしない

「周一さん・・・本当に遅れますよ・・」
俺は何回目かの進言をする
「うん・・・」
「ほら・・修樹もバイバ〜イって」
また手を振ってみせると
修はキャッキャッと笑い声を上げる

「あ〜・・・仕事行きたくない〜・・・」
名取はもう10回は言っている言葉を漏らして俺の頭に頬をすり寄せる
「もう・・・」
俺は修樹を片手抱きにして、名取の腕を掴み
車まで引っ張って行く
「早く乗ってください、で、仕事して、早く帰って来てください」
「うん・・・」

運転席のドアを握り
また離して、俺の頬にキスを落とす
修樹の頭にもチュッとしてから
またドアを握る
「気を付けて・・ちゃんと稼いできてください」
俺が笑いながら言うと
名取は、不承不承に頷く
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