だいすきなきもち ミニ♪

□カレンダー
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「はい、出来たよカレンダー♪」

名取さんのマンションに入って、コートを脱ぐ間もなく渡された丸い筒…

「は?カレンダー作るほど人気あったんですか?」
憎まれ口をたたく俺の頭に丸い筒をポコンと落とす
「あのね〜、CMにも出て、俳優人気ランキングの上位にも入って、おまけにFC まである身なんですが…」
「え!?FC まであるんですか!?」
心底びっくりする俺に、名取さんは、自分がどれ程人気あるか、滔々と語りはじめたが、とりあえず無視し、カレンダーのビニールを取り、逆に丸めて広げてみる

最初の表紙はドアップの輝く笑顔
「うわ〜〜………」
なんか、自分が恥ずかしくなり顔が熱くなる
「夏目…全然聞いて無いね…」
「あ、まだしゃべってましたか?すいません」
とぺらりと捲ると、1、2月、一面の銀世界で雪だるまを作っている
「ブハッ」
3、4月、一面の花畑に佇む
「ゲホッ」
5、6月、お風呂上がり、上半身裸で濡れた髪をかきあげて鏡越しに此方を見る
「………」
7、8月、女の人を前から抱きしめ、出ている肩の肌にキスしながら此方を見ている
「!?」
9、10月、月をバックに着流し姿、やはりちらりと見えている着物姿の女性に話しかけている
「………………」
11、12月、タキシード姿に豪華シャンデリアの下、ヴィーナス像の横で佇む
まだ、あるので捲ると、シャツの半分はだけた状態で、こっちへおいでと手招きするおまけのポスター…

俺はカレンダーを丸めると、ビニール袋に仕舞い、思いっきり部屋の隅へ投げた
名取さんは、一瞬ぽかんとした後、大爆笑
笑いながら俺の頭をくしゃくしゃにしてくる
手の攻撃をかわしながら、止めてくださいと、プンッと離れる

笑いすぎて、お腹痛いと尚も笑う名取さんを睨むと
涙を拭いながら
「可愛い〜んだもん夏目」
と、抱きしめてくる
「7月と9月のページ見てる時にムッとしちゃって」
と、まだ笑うので
離れようともがくと
「ごめん、ごめん」
と、頭にキスを落としながら
「嫉妬した?あんなの道具だって」
道具と言い切る名取さんも凄いが、あ〜嫉妬してんのか俺…と自分にもびっくり

名取さんは優しい笑顔を浮かべながら、甘い甘い口づけを落とし
機嫌治った?と聞いてくれるから
俺はつい、もっともっと
甘えたくて、ふるふると頭をふると、名取さんは更に優しい口づけから、深く愛しい口づけになる

二人だけの甘い時間

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