だいすきなきもち ミニ♪

□もしも…
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「名取さん…」
「ん?」
「もしも…俺が女の子だったら
好きになってましたか?」
「は?」

名取さんのマンションでのお泊まり会で、ご飯を食べて
新作のハリウッド映画を見ていると、つい疑問が湧いてきて
真顔で聞いてみる

名取さんは、なんだか固まって
ん〜って唸る
「真剣に聞いてるの?」
「はい」
「おちはなんなの?」
「おち?…用意してません」
ふるふると頭をふる俺を、困った顔して見ている

「ん〜」
名取さんは座り直してさらに考えて、俺を見る
「好きになってたと思うな…
夏目が、今の夏目のままなら」
と、天井を見て、うんと独りで頷いてる
「つまんで、ポイッじゃなく?」
「ブハッ」
名取さんは、しばらく噎せると
俺を見て
「好きになったら、そんなことしないよ、今までは好きにならなかったんだから、仕方ないでしょ」
変な理屈…
「なんなのさ、おちはなんなの!?恐いよ、この後が」
「いや、すいません…ただ聞いて見たかっただけで…っていうか、本当に俺そばにいて良いのかな?とか、やっぱり女の子のが…」
と言いながらなんだか半べそに

「やっぱり!そう来たか」
と名取さんは俺を抱き寄せて
「なんで、もしも話しで泣くかな〜」とよしよしと撫でてくれる
俺も恥ずかしくて
名取さんの胸に顔をすりつけて
モゴモゴと、すいませんと謝る

「男とか、女とかどうでもいいよ、夏目が夏目で、今のまま、無愛想で、毒舌で、たまにふにゃふにゃでかと思えば、無茶して、突っ走って、こうしてたまに甘えてくれるのが何よりも幸せだよ、夏目は?」
抱きしめられながら、名取さんの言う事を聞いてると
安心してきて……
「ん?なんか、けなされてたような?」
「え!?どこが?べた褒めだよ」
と笑う名取さん
機嫌治った?
と覗きこんできて、軽いキスを落とす
「俺も、こうして名取さんに、よしよしとされるのが幸せです」
え〜他にもあるだろ〜とか、つついてくるけど、無視する

いつの間にか、映画はエンドロールになっていて、最後にどうなったのかみてないけど
今の雰囲気だと…多分映画は見ずに終わるな…

ま、いいか、またいつでも
二人で見られるし

ずっとずっと一緒だし

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