だいすきなきもち ミニ♪

□あかちゃん
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「名取さん!名取さん!」

夏目が慌てて私のそばに寄ってくる
慌ててる顔も可愛いね
「ん〜、なんだい?」
と両手を広げて受け止める
腕の中にすっぽり入った夏目は頬を染めながら見上げてくる
「あの・・」
見上げてくる顔も可愛くて、チュッとキスを落とすと、恥ずかしいのか顔を胸にすり寄せる
<あ〜・・可愛い>
とシミジミ思い、ギュッと抱きしめる
夏目は私の胸に頬を寄せ見上げると嬉しそうに
「名取さん!赤ちゃん出来ました!」
と笑顔で言ってくる

「は?・・・」

「名取さんも嬉しいですよね!楽しみだな〜」
と笑顔で喋る
「え・・と・・」
あれ?夏目でも分かるよね・・体のメカニズム・・
と固まっている俺の腕から抜けると
名前どうしようか、どちらがつけますか?と言いつつ
「あ!生まれちゃうかも」
と慌てて、別の部屋に駆け込んでしまう
バタンと閉まるドアを、しばらく呆けて見て

<!!はっ!!>

と気がつきドアを開けようとしたら鍵が掛かっている
慌てて、ドンドンと叩き
「夏目!!開けなさい」
大丈夫か?と慌てる
とガチャリとドアが開き、口に指をあてて、シーッとジェスチャーをする
布にくるまれた物を私に見せながら
「生まれましたよ、俺と名取さんの赤ちゃんですよ〜」
と私に渡す・・
「名取さんにそっくりです」
とにっこり微笑む
困惑しながら受け取り、中を覗くと・・・
ニヤリと笑う白い丸い饅頭・・

「・・・・・ギャーっ!!ぶさねこ!!」

叫びながらガバッと身を起こす
「夢か・・・」
と額の汗を拭い、はぁ〜と息を吐く
「なんですか?夢みたんですか?」
隣で寝てた夏目が目をこすりながら聞いてくる
「ごめん、恐ろしい夢をみた・・」
と何気に夏目のおなかを見ると、妙に膨らんでいる
「!?」
膨らんでいるパジャマを恐る恐るとめくると
丸い尻尾が見えてきた・・
<この野郎・・・・・>
と尻尾を掴むと、夏目のパジャマから引きはがす
「何をする!この小僧!!!」
と爪を立ててくるのを
「貴様こそ、どこに入ってるんだ!」
「腹の上が温いからに決まっておるだろう!」
「えらそうに言うな!このエロニャンコ!」
「お前と違って、下心など無いわ!
夏目は腹が弱いからちょうど良いのだ!」

ゴン!!
ゴン!!

「フギャッ!」
「いたっ!」
ネコを掴んだまま見ると夏目が握り拳を作り、冷たい目で
「うるさい!寝られないだろ!」
と言うと、布団をかぶり寝た
<・・・・・寝起き悪いんだね・・・>
まだ、痛さに悶絶しているブサネコを掴んだままベランダに出て思いっきり投げる
「出ていけ〜!」
「覚えてろ!エロ俳優〜!」
という悪態が小さくなっていくのを聞いて、ヨシッと頷き
ベッドに戻ると、もう夏目は寝息を立てている

<う・・・夢の中ではあんなに可愛かったのに・・>
と思いながら夏目を抱きしめて寝る
あんなに可愛くすり寄ってくれますようにと叶わぬ夢を抱きながら

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