だいすきなきもち ミニ♪

□おねだり♪
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「名取さん…」
しおらしく、夏目が伏せ目がちに名前を呼んでくる
俺は読んでいた、台本を放り投げて、両手を開き迎える
「なんだい?」
ん〜?と見下ろせば
夏目はまだ伏せ目がちに
「欲しい物があるんです…」
ぽそぽそと消え入りそうな声で話す
(可愛いいな〜)
「なんでも言ってごらん?」
「なんでも言っていいんですか?」
「当たり前だろ、夏目からのおねだりなんて、初めてだし、俺に買えない物なんて、そうは無いよ?」
自信満々に言い、夏目を見下ろすが……
(あれ…?なんか……獣臭い…?
気のせい…?)
と異変に気づいた時には
腕の中でドロンと化けると、女子高生の姿の先生が

「うわっっ!!」

慌てて突き放すが
先生はニヤリと笑い
「馬鹿め!!騙されおったな〜、エロ俳優め〜」
「くそっ!!」
「この事を夏目に話されたくなければ、金を出せ♪出来れば諭吉だな♪」
「どこのヤクザだ!!誰が出すか!!」
「ほほぉ〜、いいのかな〜?夏目はショックだろうな〜」
またドロンと夏目に化ける
『俺とにゃんこ先生の区別つかない名取さんなんて……』
ご丁寧に声色も真似て、瞳までウルウルさせる芸達者振りだ

俺はガックリと肩を落とし
パンツのポケットに手をいれてマネークリップを出そうと

ごん!!
「ふぎゃっ!!」
「何やってんだ!!先生は!」
夏目がいつの間にか現れて、先生に拳骨を落とす
俺をキッと見ると
「名取さんも名取さんです!つまらない脅しに引っ掛からないで下さい!」
「すいません…」
「先生はどうせ酒代が欲しいだけだろ!!」
ぎゃんぎゃん怒られてる、先生に少し同情心が湧き、止めようとすると
「名取さんは黙ってて下さい!甘やかすと癖になります!!」
「はい……すいません…」

怒ってる夏目を見ながら
確実に、尻に敷かれるな〜と遠い目をする名取でした


オチネタ
「あ、そうだ…先生、金あっても女子高生じゃ酒買えないよ」
「にゃに!?」

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