だいすきなきもち ミニ♪

□恋人はワイン色〜
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「ワイン飲んでみない?」
「・・・未成年なんですが・・・」
「店なら問題あるけど、家だし、俺以外誰もいないよ?」
「そうですけど・・どうしたんですか?そのワイン」
「CM撮影で、貰ったんだ」
「くれるんですね〜」
「たまにね、試しに撮影所で飲んでみたけど美味しかったよ」
美味しそうなご飯が並んだテーブルの上に、いつもは並ばない
ワイングラスが2つ並ぶ
夏目はコルクを空ける俺を興味津々って感じで見てくる
キュッキュッ・・ポンッ
という音がしてコルクが抜けて、夏目が手を出してくるので、そのままコルクを渡す
嬉しそうにコルクを指でつまんで眺めている
「嗅いでごらん」
言うと、素直に匂いを嗅いで、微妙な顔をする
その様子がおかしくて笑うと
顔を赤くして、ムッと睨んでくる
「いや、あるんだって、ソムリエなんか嗅いでるよ」
俺が笑いながら言うと
また微妙な顔をして、自分のそばにコルクを置く

「変な匂いしかしないです」
「だろうね」
笑うと、頬をプクッと膨らませる
その様子が可愛くて、さらに笑ってしまう
ワイングラスに夏目には半分だけ注いで、自分の分を注ぎ
グラスを掲げて乾杯する
恐る恐るって感じで、口をつける夏目を見て微笑んでしまう
「女性向けの甘口だから、夏目でも飲みやすいだろ」
おかずをつついて、目を上げると
グラスを空にして眺めている
「あれ?飲んじゃった?」
「はい!美味しいです」
「大丈夫?」
「はい!まだ飲みたいです」
大丈夫かな?と思いながら少しだけ注ぐと、これだけ?って顔をする
もう少しだけ注ぐと、笑顔で口をつける
「まあ、飲みやすいとはいえ・・ワインだからここまでにしようね」
「はい」
笑顔でうなずいてくる頬がもうほんのり赤い
(やばい・・めちゃくちゃ可愛い)
ゴホンと咳払いして、自分もワインを飲み
おかずをつつきながら、撮影の時の話をして
返事が無いので顔を上げると
テーブルに両手で頬杖を付いてニコニコと俺を眺めている
「夏目?・・」
「はい・・」
答えている目がトロンとしている
(ありゃ・・やっぱりワインは早かったか・・)

「眠い?ベッドに行く?」
「名取さんは〜・・すごく格好いいです〜」
「はい?」
「フフ・・何してても格好いいです〜」
(こりゃダメだ・・)
「ありがとう・・寝るか!」
俺が立ち上がると、夏目も立ち上がり
よろよろと俺に近づいてくる
「危ない・・」
腕で体を支えると
ニッコリと笑って
「フフ・・なんだかフラフラします」
「みたいだね・・」
抱っこしたほうがいいかなと少し前かがみになると
そのまま俺の首にしがみついて、唇を頬に押し付けてくる
「名取さん・・」
「はい・・」
「すっごくすっごく好きです」
「ああ・・ありがとう」
好きだ〜としがみついてきて、顔にキスの雨を降らしてくる
嬉しいやら困ったやら、どうしようかなと考えていると
夏目の動きが突然止まり
胸に顔を擦り付けてくる

「などじざん・・・」
「ん?」
「ぎぼぢばるいでず・・・」
俺は咄嗟に抱え上げて、トイレに走った
ゲロゲロする夏目の背中を撫でながら
軽はずみだった自分の行いを反省する
(考えたら、ビール少し飲んだだけで赤くなってたもんな・・)

翌朝、夏目は何も覚えておらず
とりあえず、20歳を越えても俺以外の前ではワインを飲むのは
禁止ということでお願いした
酔っ払った夏目があんなに可愛くなるのでは
心配で飲み会なんか行かせられない

あの可愛さは反則だ

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