だいすきなきもち ミニ♪

□最強の恋人
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「ストレス解消などはどうされてますか?」
「う〜ん・・あまりストレスなども感じない方なんですけど・・・」
「そうですよね〜、名取さんって凄く穏やかで、怒る事なんて無さそうですもの〜」
「いや・・さすがに怒ることが無いわけではありませんが・・・」
画面の中では少し苦笑している名取さんが
女性のインタビュアーの質問に答えている

俺はせんべいを囓りながら、その胡散臭い笑顔を眺めている

「ストレス解消は、やはり好きな人といるときかな?」
口元に手をあてて、微笑む顔を女性がうっとりと見て
「まあ!名取さんに想われている光栄な女性がいるんですね!どんな方ですか?」
「クスッ・・・残念ながら好きな女性はいないです・・変わりに好きな事をしますね」
「もう!思わせぶりですね!・・で、好きな事とは?」
女性が照れたように笑い、続きを促すと
「そうですね・・やはり音楽とか・・読書が多いですね」

「読書って・・・呪術関係か、自分が載ってる雑誌だけじゃん読んでるの
音楽聞いてるのも見たこと無いけど」
テレビに向かって、1人突っ込む俺

「読書はどんなジャンルが好みですか?」
「ミステリーが多いですね、謀略物も好きですが・・」

「だから見たこと無いって・・・どこにそんな本が?」
思わず部屋をキョロキョロと見回す俺

「一人で、好きな本を読んで過ごすと、嫌な気分などは吹き飛びます。今回の原作も勿論大好きで、出演出来たことにすごく感謝しています。原作も読んで、ドラマも見て頂けたら面白さが倍増しますよ・・では」

最後にとっておきの笑顔で言うと、番宣の取材陣に挨拶して画面から消えた

「やっぱり・・芸能人って嘘ばっかりなんだな・・・」
ボソリと呟いて、俺の膝でうたた寝をしている
美形の人を見下ろす
膝を抱えるように寝ているので、足がしびれてきているのに抜け出せない

「知ってるんだぞ・・・名取さんのストレス解消方法・・・」
「ほんとに?」

突然返事が返ってきてびっくりすると
むくりと起き上がり、大きく伸びをする
「いつから起きてたんですか?」
「だって夏目がずっと突っ込みまくってるんだもん、目が覚めるよ」
笑いながら言ってくる
「す、すいません・・・」
「で?何を知ってるの?」
「う・・・」
「ん?」
笑顔で言ってごらんと迫られると、顔がカ〜ッと熱くなる

「名取さんのストレス解消は俺ですよ」
恥ずかしながら言ってみる
キョトンとしている顔に近づいて
「俺のおかげで、名取さんは癒されてるんです・・・」
言いながら軽く唇を合わして離れる

「自信ありすぎですか?」
まだ固まったままの名取さんに問いかけると
ニッコリと笑って
「いいや・・・大正解だね・・」
と優しく笑って、抱きしめられ
そのままソファに押し倒されて
甘い時間が過ぎていく

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