だいすきなきもち ミニ♪

□かさぶた
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「あ!こんなとこにかさぶた出来てますよ!」
「わ!・・・びっくりするでしょ、耳元で急に叫ばない」
思わず耳を押さえて、夏目を見ると
なぜかニンマリ笑う

「な・・・なに?」
「どしたんですか?その傷」
「ああ・・こないだのロケで擦ったんだ・・」
右肘あたりに出来ていた傷はもうかさぶたが出来ており
もうすぐ自然に剥がれそうで
夏目から隠すように手で塞いで
思わず身体をずらす
「芸能人なのにかさぶたなんか作ったらダメでしょ?」
「芸能人でも怪我位するでしょ・・」
なぜか夏目は、四つん這いになってすり寄ってくる

また俺は逃げるように後ずさり
「なんで・・そんなにニマニマしながら寄ってくるのかな?」
「俺ね・・」
「な・・・なに?」
「かさぶた剥がすの好きなんです」
とすっごくいい笑顔で言う

「ふ〜ん」
俺は手でガードしながら、それで?という顔をする
「剥がしてあげます」
またもやいい笑顔
「剥がしていらないです」
「だって、それすぐ剥がれますよ?」
「いいえ、結構です」
「痛くないですよ?」
「本当にご遠慮申し上げます」
夏目は横を向き、ボソボソと何か言う
聞こえた言葉はチキン・・・

「こらこら!違うよ!・・痛いとか言う前に無理に剥がしたら傷跡が残るでしょ!・・」
「もう剥がれかかってるかさぶた取ったところで跡なんて残るわけ無いじゃないですか!
俺だって残ってませんよ〜・・ほら!」
自分の腕を見せてくるが、夏目がかさぶた作ってた場所なんて
さすがに覚えて無い
「俺は自然に剥がれる方がいいの!」
「痛くないですから!」
ニンマリ笑いながら、夏目に押し倒される
腕を届かないように逃がすが
脇腹をこそばされてしまい、腕を取られてしまう

「キャー!だめだって!」
「なんで・・<キャー>なんですか・・・」
「いや・・・なんか・・・」
「こんなのすぐですよ」
「あ〜!!やだ!!」
「なんで<やだ>なんですか」
「いや・・・なんか」
「少し黙っててください」
「イヤ〜!」
「なんでこんな時は、オネエ言葉になるんですか・・・」
「分かりません」

夏目は俺にまたがり、仕方無いな〜の顔の後に
顔を近づけてきて、キスしてくる
大変珍しい、夏目からのキスにビックリしているうちに
肘あたりで、ピリッと痛みが走ったと思ったら
夏目が指を俺の前に持ってくる

そこには綺麗に剥がされた
俺のかさぶた・・・

「あ〜・・面白かった・・意外な名取さんの一面も見られたし」
夏目は笑いながら、かさぶたと共に俺から離れて行ってしまう
唖然としたままの俺を残して・・・

ひどい・・・
 

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