だいすきなきもち ミニ♪

□俺の好物
1ページ/2ページ


指にクリームを付けて
そっと可愛い口元へ持って行くと

おずおずと可愛い舌が出てきてペロリと嘗めた

口の中へ消えた舌を口内でぐるりと回しているのか
美味しそうに目を細める

「美味しい?」

返事は無いが、喉が動く様子で分かる

また指にクリーム付けて
持って行くと、今度は勢いよく嘗めてくる

「可愛い!可愛いねタカシは・・もっと嘗める?」

こう聞くと、舌なめずりをするので
可愛いと頭に頬を寄せてグリグリとしてしまう

よしと思い、クリームが入った瓶に手を延ばそうとしたら
別の手が伸びてきて取り上げられる

あれ?と振り返ると
鬼の形相で夏目が立っている

「あら?」
「あら?じゃないです・・・なに拾ってきた猫に人の名前付けてくれてんですか」
「あ・・・聞こえた?」
「思いっきり、大きな声で言ってましたが?」
「いいじゃん・・・なんて名前付けようと」
「良く無いです!!じゃあシュウイチって付けたらどうですか!!」
「ああ・・・ごめん、ほら!俺って超有名な芸・能・人!でしょ〜パブリシティの問題とかさ〜」
「肖像権と何の関係も無い上に・・シュウイチなんて名前腐るほどありますが?」
「腐るほど無いだろ!・・・それにこれだけ煌めいている周一は絶対他にいない!」

力一杯宣言すると、醒めた目で見てくる夏目の口から
大きなため息が吐き出された

「なに?ダメ?・・・タカシ・・・似合ってると思うけどな〜」
「イヤです!」

力一杯返される
可愛い子猫がじゃれついてくるので
抱き寄せて、喉の下をくすぐると
前足をパタパタと動かして、目が細まりウニャウニャ言う

「可愛い・・夏目もな〜・・この位・・・素直に甘えてくれるといいんだけど」
「何言ってんですか・・そうだ・・シロはどうですか?」
「・・・・・思いっきりそのままだけど」

白い毛並みの子猫を見下ろして呟く
「ダメですか?・・・ん〜・・子猫は?」
「は?」
「イヤですか?・・・じゃあ小さいの」
「考える気無いよね?」
「ちゃんと考えてます!」
「どんだけボキャブラリー少ないんだろ・・・」
ボソボソと呟くと、夏目が噛みついてくる
「聞こえてますが!?」

言いながら、俺の隣に座り
自分も指にクリームを付けて
子猫の鼻先に持って行くと、また飛びつくように嘗め出す

「うわ・・猫の舌って、いたこそばいですね・・・可愛い」
「?・・いたこそばい?とかいう?」
「言います!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ