Beloved feeling

□*sixteen*
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良い天気で、絶好のドライブ日和
助手席に座った俺の膝の上で飛び跳ねる「たろ」を宥めながら
電話で聞いた、じいじが今いる老人用施設に向かっている

聞いてから地図で調べたら、2時間も掛からずに行けるとの事で
今日はどちらも休みなので、のんびりとドライブがてら出てきた

じいじに会えるからなのか
流れる景色を見て、たろが喜んで足の上ではしゃぐので
それを押さえたりしながら
顎に頭が直撃するわ、振り回した手が頬に当たるわ先ほどから散々な目に遭わされている

「こら・・暴れるなって・・いてて」
振り上げた拳が、またもや右頬にヒットする
子供の手とはいえ、妖だからか力がやたら強い
「おれ・・痣だらけになりそう」
ボソッと呟くと、名取がクスクス笑って
「それは困るな〜・・俺がDVしてるなんて疑われるよ」
「あはは・・そりゃいいな」
「良く無い」
笑って突っ込むと、途端に眉をしかめる

まあね・・・性格歪んでるって言ってるようなもんだもんね

馬鹿な話をしていると
景色が開けて海が見えてくる
「あ!海だ・・たろ・・海だぞ」
たろの顔を無理矢理、海側へ向けると
「わ〜・・・」
たろがダッシュボードに身を乗り出して見始める
「初めてか?」
「うん!」

夏空の光を受けてキラキラと輝く海は
眩しい程だ
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