Beloved feeling

□*seventeen*
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実家の近くの祭りに合わせて
名取と2人で実家へ向かっている
俺の実家だが

家に着くと、盛大なお迎えをしてくれる
「周一君は相変わらず男前ね」
「ありがとうございます」
キラリと微笑みながら、そつなく礼を言う名取をジトッと見つめていると
指で顔を背けられる

「謙遜とかいう言葉・・無いのかな?」
呟きながら玄関に入ると後ろから
「これだけの男前だとね・・謙遜も嫌みになるんだよ」
「あ・・・そう」
等と話していると母が相変わらず仲が良くてと茶化してくる

まあ・・実際に仲がいいのは否定しないけど
やはり気付いているのだろうか

でもその事には触れたくない
実際に母の前で、付き合ってます
なんて言葉は、とてもじゃないが口に出来そうにない

家に入ると、たくさんのお昼ご飯が待ち構えていて
2人で頑張って頂いていると
ニャンコ先生がのんびりとキッチンに現れる

「先生・・来てたのか?」
「ああ・・昨日からな、明日は祭りだからイカ焼き食い放題だしな」
「食い放題じゃないよ!」
「大丈夫だ、今回は小僧もいるだろ」
「俺か・・・」
名取がご飯を口に運びかけて、ピクリと止まる
「もう、あてにされてるぞ」
「みたいだな」

先生は明日へ想いを馳せているのか、もうニヤニヤしている
祭り好きなのは、人間も妖もみんな一緒なのかもしれない

満腹になったお腹を摩りながら、後片付けを引き受ける
皿洗いをしている後ろでは、母と名取が楽しそうに会話をしていて
そんな話を聞きながら皿を洗っているこの時間が楽しいと感じる
場所を居間へと移すと、用意してくれている浴衣が掛けてあり

白地に流れるような水の模様が肩から裾に流れているのと
同じく白地だが、縦に模様が流れているタイプ
縦模様のが短い丈なので俺のだと分かる

見比べると、なんだか自分用のが可愛い感じになっている
母親にしてみれば俺の事はこんな感じに見えるのかも
すこし複雑な心境ながら浴衣を眺めていると
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