Temptation

□哀切
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開けた途端に
やはり、あの香水の香りが漂っていて
胸が苦しくなる
(ここから出てきたんだ・・・あの女性は・・・)
玄関でしばらく呆然とする
気を落ち着かせようと、大きく深呼吸して靴を脱いで

「お邪魔します!」

いつもより大きめの声で挨拶をして
部屋へ向かおうと廊下を歩くと

風呂場から音が聞こえてきた
シャワーでも浴びているみたいだ
リビングの扉を開けると

昨日からの残骸がテーブルに並んでいる
いつもは閉まっている寝室の扉が開いている
見る気は無かったのに、つい視線がいくと

寝乱れたベッドが視界に入った

(あ〜・・・・ダメだ・・・・)
両手で顔を伏せて、気持ちを落ち着かせようとするが
無理みたいだ

これ以上、この空間にいたくない
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