is in love

□陸
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朝ご飯を食べてから、部屋の片付けをして
さて勉強するかと言うと、夏目は途端にドヨンとした顔をする
「どこか〜・・遊びに行きたい〜」
夏目は俺の腕を掴んで、可愛く言っているが
「花見は昨日しただろ」
冷たく言い放つと
「庭から隣の家に咲く、桜を見ただけじゃないですか!」
「じゃあ、何か1つ布陣を覚えられたら、連れてってやる」
「そんなのずるい!」
「・・・なんでずるいんだよ」
俺は額を押さえながら言うと
「だって・・夕方までかかるかもしれないじゃないですか!」
「覚えようと思えば出来るだろ」
ほらとテーブルに付けと目で示す

渋々って感じで歩いて行く
後ろ姿を見て、可哀想かな?と一瞬思うが
いかんいかん!それに乗ったら
こいつはいつまで経っても覚える気は無いだろうと思い
ここは、心を鬼にしようと誓う

俺がテーブルの前に座り、新聞を手に取ると
夏目が、俺とテーブルの間に無理矢理割り込んでくる
「こら・・どこ座るつもりだよ」
「ここなら、ちゃんと覚えられます!」
「あ・・・そう・・」
春の天気がいい窓の外では、桜の花びらが風にふわりと漂うのが見える
その優雅な景色を見ているだけで、あくびが出そうになるが慌ててかみ殺す
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