れんさいもの
□深い森
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私が、その少年に出会ったのは
草むらの中だった
腕に抱え込んだ少年の身体は華奢で
びっくりして見上げた顔は
透き通るような白い肌・・
少女かと見紛うほどに端正な顔立ちをしている
「すいません・・」
謝る声は少し高めだ
少年の視線が私の首元辺りを彷徨う
私は手を離して謝るが、少年の視線はこちらをみずに
動く何かを追っている
<まさかね・・>
離れ際に少年がつぶやく
「入れ墨?」
私はその微かなつぶやきを聞いた
間違いない
見えてるんだ、こいつが
俄然、興味が湧く
その瞬間からか
いつからだろう・・・
彼の虜になったのは
ただ少年は深い深いキズを胸に抱えていた