Beloved feeling

□*four*
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(何かが違う・・・)
と自問自答するが、もうなんかこいつに勝てる気がしないと諦める
「じゃあ、俺こっちだから・・」
左を指さして言う
「うん・・って今更だけど・・お前って学部なに?」
「・・・・・・・・・・ブハッ・・」
名取は一瞬キョトンとした後に、お腹を抱えて笑う
「・・・・・」
確かに笑われても仕方ないと思うけど・・
「お前・・笑いすぎだろ」
「いや・・笑うって・・」
涙を拭いながら、お腹痛いとまだ笑う
「どんだけ、他人に興味無いんだよ」
「そ、そんな事無い」
「クス・・そうかな?」
向けてくる顔は、本当に甘い笑顔を向ける
「・・・・で?」
俺はしかめっ面を返しながら問う
「北本君と一緒だよ、経済学部」
「あ・・そう」
「じゃあ、また後で」
「俺、今日はバイトだけど?」
「うん、知ってる」
と言いながら曲がって、姿が消える

俺は盛大にため息を吐いて
(なんで・・朝からこんなに疲れるんだ・・・)
トボトボと歩いていると
西村が前方から走ってやってきて

「ど、ど、ど」
「ど?」
俺は眉を寄せて聞き返す
「どういうこと!?」
「は?・・何が?」
「名取だよ!」
「あ〜・・・」
俺は頷いて、西村を躱して教室へ歩を進める
「いつの間に友達?」
「・・・・・・」
なんて言おうか、悩む・・
「バイト先に飯食いに来たんだよ、あいつが」
「え!?あさひ食堂に!?うそだろ?」
「いやいや、本当に」
西村を見ながら言うけど、顔には嘘だって書いてある
「あいつが・・・あんな食堂で飯なんか食う訳無いだろ・・」
「だって食いに来たんだもん・・・あんな食堂とか言うな・・うまいっちゅーの!」
「夏目!!」
西村は俺の肩をガッチリ掴んできて、自分に向ける
「なんだよ・・」
俺は不審そうに西村を見る
「お前・・・狙われてるんじゃね?名取に・・あ〜見えてあいつ・・バイかもよ?」
西村の顔をジッと見て
吹き出してしまう
「ブフッ」
「笑うなって!お前・・可愛い顔してっから!」
「お前に言われたくないよ。童顔のくせに」
俺は笑いながら、西村にやり返し
腕をどけて、教室に入る

(西村・・ごめんって、もう捕まっちゃいました)
心の中で謝っておく
鈍そうなくせに、そんな所は気がつくんだな・・と感心する
後ろで西村が、誰が童顔だよ!夏目には言われたくない!と抗議をしている
無視して席に着く
西村以外からも、なんでまた?とか聞かれて
その度に、飯を食いに来て、話してみると共通の趣味があって・・とか
しどろもどろな話をしてごまかした
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