Beloved feeling

□*six*
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「あら!貴志君てば面食いだったのね・・・」
「はい?」
「初めまして、貴志の母です」
俺を無視して、名取に笑いかける
「初めまして、名取周一です」
「お腹空いたでしょ!上がって!」
俺は笑って、名取を振り返る
来る途中に昼ご飯を食べようと、名取が言い出したが、絶対に何か作ってるはずだからと昼抜きでここまで来た
やっぱり正解だったなと

俺の後から玄関を入ってきて
「すごく、チャーミングなお母さんだね」
「少し・・過保護だから・・ビックリするよ多分」
「そうなの?楽しみだな」
笑いながら靴を脱いで2人で上がり
キッチンへ声を掛ける
「荷物置いてくるから」
「は〜い。すぐ降りてきてね」
「うん」
自分の部屋へ案内する
なんだか気恥ずかしい気持ちになる
普通の日本家屋の部屋を、名取はなんだか嬉しそうに見回す
「いいね、なんだか夏目らしい部屋だ」
「俺らしい?なんだそれ」
「ん?変なポスターとか貼ってないし、物をごちゃごちゃ置いて無くて、すっきりしてる」
「別に収集癖も無いからな」
お互いのコートをハンガーに掛けて、荷物を置いて、下に降りる前に名取に忠告する

「ごめん・・先に謝って置くけど・・」
「ん?」
「めちゃくちゃ食わされるから」
俺が困った顔で言うのを名取は吹き出して笑う
「いや・・・ごめん、親心だね」
「うん・・・・食えないって言うんだけどね・・・」
名取は笑いながら、肩を叩いてキッチンへ一緒に入っていく
「あら、笑い声も素敵ね」
母さんがにこやかに言う
「・・・・こいつ、モデルとかやってるから外見は完璧だけど中身はめちゃくちゃだから」
「え〜!ひどいな、品行方正だし誠実だよ?」
ニコリと笑いながら言い
母さんに紙袋を渡す
「つまらない物ですが、皆さんで召し上がってください」
「いつの間に・・・」
「まあ、大学生が気を遣わなくていいのに」
「いえ、せっかくの団欒をお邪魔するわけですし・・」
「では、ありがたくいただくわね。ありがとう。今度からは手ぶら出来てね」
「はい」
「じゃあ、お昼ご飯食べましょう!名取君の事も色々聴きたいわ!貴志君のお婿さんなら尚更ね」
「ブハッ!!」
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