Beloved feeling

□*seven*
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「すいません・・お礼も言わずに、ありがとうございました」
「いえ、ちょうど妖狩りをしていた所です」
「狩り?ですか・・」
「ええ、優雅でしょ?」
「・・・はい?」
「冗談です。気にしないでください・・それよりも何とかしないと行けないですね」
(そんな淡々と冗談言われても・・・)
俺は困惑しながらも、何を言い出すのかジッと見てると
「その格好で家に帰れば、大変じゃないですか?」
「・・・まあ、慣れてるので」
こんな泥だらけは、近頃では珍しいが
小さいときはしょっちゅうだった。
「でも、1人では帰れないでしょ?」
「先生が起きるまで待ってます」
「先ほども言いましたが、うちが調合した対、妖用の薬ですよ?いくら大妖といえど2,3日は目覚めませんが」
「先生が・・大妖なんてなんで分かるんですか?」
「今、君も答えを言いました・・」
クスリと笑いながら見てくる
俺は顔が赤くなってるだろうなと思う

「取りあえず、うちに来てください。怪我の治療も出来ますし、服だって綺麗になりますよ」
と言いながら、ヒュッと口笛みたいな音がしたと思ったら
あの白い面を付けた式が現れる
先生をさして
「屋敷に運べ、丁重に扱え」
式は先生を持ち上げて消えた
唖然とする俺を見て、ニッコリと笑い
近づいて来て、かがんだと思ったら、前抱っこで持ち上げられる
「うわっ」
さすがに慌てて
「ちょっ!的場さん!」
もう歩き出しながら、俺の慌てぶりは無視だ
「あの・・降ろしてください・・」
「その足で?」
眼帯をしていない左側に顔が来てるので、面白がる顔がよく見える
「じゃあ、おんぶでいいです」
「イヤですよ、そんな泥だらけ背負うのは」
「だからってなんで・・・この体制・・」
「夏目君、出来れば首に手を回してくれた方がこちらも楽なんですが?」
「い・・・」
イヤだと言いかけると、ん?と見てくる視線に負けて、渋々腕を回し、的場に縋り付く格好になる
手に掛かる、的場の髪はサラサラでなんだかいい感触だ
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