Beloved feeling

□*ten*
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ごちそうさんと席を立つお客さんがいて
いつもならレジに向かう奥さんが、名取の席から動こうとしないので
仕方無く俺がレジへ行き、会計をすまして
「ありがとうございました〜」
と声を掛ける
お皿を片付けて、台を拭いていると
奥さんが名取に色々質問している

「お肉嫌いなの?」
「いえ、大好きですよ」
「じゃあなんで?肉抜き?」
「ああ、明日も仕事なんです、この時間に肉食べると翌日の体脂肪が心配なので・・・」

この名取のセリフに回りの客・・主に女性が
グフッと妙な音を立てる
(みんな耳澄ませてんだな・・・)
妙な事で感心してしまう

「ええ〜!体脂肪なんて気にするの?!」
「ああ・・はい」
「だってスタイルいいじゃない、少しくらいなら大丈夫でしょ?」
「だって、この体つきも商売のうちですから、太ったらお金貰えませんし」
このセリフに更に回りの奴らまで、グフッと妙な音を立てて
ゲホゲホとむせている人までいる

俺は相変わらずな奴・・・とテレビのチャンネルを変えて少し賑やかなバラエティ番組にした
(あの言い方・・絶対わざとだな)
回りが聞いてるのを知ってて、わざとあんな言い方をしている
名取の意地悪さがおかしい
あれでは体を売っている商売みたいじゃないか・・
まあ、顔で仕事をしているからあながち間違いでは無いんだろうけど

客が名残惜しそうに、名取をチラ見しながら帰り
何故かリーマンまで見ていた
なんでだ?
最後の客が帰ると
名取は暢気にお茶をすすって俺を見てくる
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