HP and SB 1 ○アズカバン編

□3 初めての授業
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翌日。
「おはよう、ハリー、ロン」
ハーマイオニーに連れられてきた大広間で、レイは朝食を取っていた。
といっても食べているのは魔法で暖めたレモン水とオレンジ2欠け。
「おはよう、ハーマイオニー、レイ」
「おはよう、レイ、君それだけかい?」
ロンがレイの皿を見て言う。
「朝に弱くて」
レイはいつものように穏やかに苦笑する。
「もっと食べないと、僕俺達の身長越せないぜ!」
「あらフレッド、おはよう。朝から元気ね!」
突如として飛び込んできた赤毛にも動じない。
「おはよう、ジョージ。それなに?」
そしてフレッドのうしろから幾分落ち着いた様子で歩いてくるジョージ。こんなにも違うのにどうしてみんな双子の見分けがつかないのだろう?
「時間割り。向こうで監督生が配ってたから、お前たちの分までとってきてやったよ」
「わあ、ありがとう!」
みんな口々に礼をいいながらジョージから紙を受けとる。
「わたしは最初は古代ルーン文字学ね」
「僕たちは占い学だ」
「朝からあの階段を昇らなきゃいけないってのかい?」
「さっさと朝食を済ませて向かおう」
ハリーとロンはため息をついた。北塔は遠い。
「‥‥それじゃあまた、魔法薬学でね」
「随分はやいのね。古代ルーン文字学の教室はそんなに遠くないわよ?」
「うん、少し寄るところがあるの。じゃあまた」
レイはひらひらと手を振りながら大広間を出た。途中、パーバティやラベンダーとすれ違ったので挨拶をしながら。今朝ハーマイオニーが紹介してくれたのだ。
大広間を抜けるとレイは保健室に向かった。
「ポピー、いる?」
「‥‥おはよう、レイ。来ないかと思いましたよ」
「ちゃんと覚えてますよ」
ふふ、と笑いながら椅子に座ると、マダムは濃紺の液体がなみなみと入ったゴブレットを置いた。
顔をしかめながらそれを飲み干す。
「いつまで立っても慣れない味」
「飲まなくてすむようになればいいのです。朝食はたべました?」
コクンと頷くと怪しそうにマダムが見てくる。
「ホントにたべたのよ?オレンジ2つ」
「‥‥まあまだ良しとしましょう。でも学生生活を送っていくならもっと食べれるようにならないと。お昼はもっと食べるのよ」
はーい、と生返事を返しながらレイは立ち上がった。
「気をつけてね」
「ありがとう、ポピー。じゃあまた」
そういうとレイは寮に戻っていった。次は授業だ。


「あら、レイ遅かったわね」
古代ルーン文字学の授業にいくと、そこにはすでにハーマイオニーがいた。
「少し迷ったの。わたしてっきりあなたは占い学だとおもってた」
ハーマイオニーの隣に腰かけながらいうと、ハーマイオニーは肩を竦めた。
古代ルーン文字学はとても楽しいものだった。この科目はいままでの蓄積された記憶とは関係のないものだったが、だからこそ新しいものを学ぶ楽しさがあった。

「次は魔法薬学ね。わたしこの科目大好き」
そういうとハーマイオニーはぎょっとした顔をした。
「どうかした?」
「魔法薬を作ること自体は嫌いじゃないわ。だけど問題は教師よ」
「セブルス?」
きょとんとした顔をするレイに対しハーマイオニーが説明する。
「あなたはいままで寮なしで個人授業だったから知らなくて当然なんだけど、あの人のスリザリン贔屓グリフィンドール嫌悪はすごいものよ。今日はグリフィンドールだけの授業だからまだましだけど」
知らなかったレイは素直に驚く。
「そうなの?」
「すぐにわかるわ。今日の授業だけでグリフィンドールが何点引かれるか。遅刻なんてしたら30点くらい引かれるわよ。北塔のハリーたちは大変だわ」
ハーマイオニーのイライラしたしゃべり方からして、よほどひどいのだろう。個人授業のときや反対呪文を唱えてくれていたときのセブルスは、不器用ながらもとても優しい人だったけれど。
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