HP and SB 1 ○アズカバン編

□5 一緒にいたい
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保健室に入ると、何やらフレッドとレイが話している声がした。
「面会は今晩はもうだめです!」
ポンフリーがすかさずジョージを見つけて叫ぶ。
「マダム、なんてことはないさ。いまいるのは俺の片割れだろう?俺達はあわせて一人だからね」
適当なことをいうとポンフリーはため息ひとつで戻っていった。
「‥‥ちょっとはましになったかい?」
「この声は‥‥ジョージ?」
「「さすが姫」」
もう慣れっこのように頭をぽんぽんすると、レイは初めて涙を流した。
「「!?」」
「‥‥わたし‥‥迷惑だったのかなぁ」
何のことだかわからないフレッドはジョージを見た。
ジョージは、まかせろ、と視線で言ってきた。
「‥‥ハリーたちのことかい?」
レイはぽろぽろと涙を溢しながら頷いた。
「そんなこと言うはずないじゃないか。君とフレッドが出ていった後の、ハーマイオニーの話を聞かせたかったよ」
ジョージは優しく頭を撫でながらいい聞かせた。
「一緒に居たかったから居たって彼女は言ったよ」
ほんとう?とレイは聞く。
「パーバティとラベンダーの質問には、みんなハーマイオニーが答えてくれた。彼女たちのことを思って、君が一人部屋を選んだこともね」
「もっと早く‥‥に、いえば、よかったの。ふたりを傷つけて‥‥しまった」
「君が後悔することはないさ」
レイの涙はまんまるで、本当にぽろぽろと流れた。
「安心していいよ、君は嫌われてなんかない。少なくとも俺は、君と四六時中一緒にいたいと思ってるくらいだから」
「おい、ジョージ」
レイは泣きながらも小さく笑った。
レイの涙がおさまったところで、ため息ながらにジョージは言った。
「しかしレイ、これだけは文句を言わせてくれ」
なんだ、とレイが構えてフレッドが怪訝そうな顔をする。
「一昨日、倒れたんだって?」
「‥‥げ。ハーマイオニー、そんなことまで‥‥」
「なんだって!?いつ!」
フレッドは驚く。
「一人で保健室を目指すくらいなら、俺達の部屋に来い」
「いや、それはないよ」
「なくないー!」
レイのほっぺたを引っ張りながらジョージは拗ねたように言った。
「じゃあ言い換えよう。一人で保健室をめざして、倒れて、セドリック・ディゴリーに助けられるくらいなら 僕たちを頼ってよ」
「‥‥なんだって!?」
レイはため息をついた。フレッドは驚愕している。
「いや、セドには本当に迷惑かけてしまったからね、もう倒れる前に保健室にいくから大丈‥‥」
「「大丈夫じゃない!」」
「だからって夜中に男子寮入ったら、ほかのみんな起こしちゃうよー」
「「そんなこと気にす‥‥」」
気にします。いやいかん。思い直した双子は、
「なんとか装置を発明しよう、相棒」
「そうだ相棒、マグルの話電みたいなやつを」
普段悪戯にしか使わない頭をフル回転させ始めたのである。

翌日の朝、ハーマイオニーに連れられてパーバティとラベンダーがお見舞に来てくれた。
「部屋のこと、今まで黙っててごめんなさい。体が弱いこと、あまりにも情けなくて言いたくなかったの」
レイがしょんぼりと謝ると、焦ったようにふたりは謝った。
「やだ、あなたが謝らないで!」
「そう、わたしたち、かっとなってたの‥‥。その、私‥‥ハリーのことが好きなのよ」
「「‥‥へ?」」
これにはハーマイオニーもレイも目を丸くした。
「簡単に仲良くなったあなたに嫉妬してたの。ごめんなさい」
パーバティは謝った。
「私も‥‥ロンのこと、気になってて」
「ええっ!」
これにはハーマイオニーが一際驚いた。
「羨ましかったのよ、きっと。だからいろいろ嫌なこと考えてしまったんだと思う。ごめんね?」

ふたりが帰ったあと、残ったハーマイオニーとレイはため息をついた。
「恋する女の子って恐ろしいわね‥‥

「ちょっとびっくりしちゃったわ」
何だかんだあったものの、これでレイはグリフィンドールに馴染むことができたのである。

「在学中の家族っていうの、わかるわ。やっぱり一緒にいたいもの」
レイの呟きに、ハーマイオニーは微笑んだ。

*****************

とにかくハーマイオニーいい人.

恋愛関連、双子を絞るべきだと思いつつ絞れず並行中.笑
お姫様だっこのフレッド
頭ぽんぽんのジョージ

ラベンダーとパーバティはクラスの中心的な女子なイメージ.
嫌いじゃないです(^^)
映画でラベンダー死んじゃってたのはすごくショックでした.救済します.笑
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