HP and SB 1 ○アズカバン編

□6 穏やかに過ぎていく
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穏やかなお茶会はその後スイーツについてに議題を移した。ほのぼのと動かしていると、スネイプが現れる。
「スネイプ先生、こんにちは」
ルーピンの部屋にいる彼女を見てスネイプは盛大に顔をしかめた。
「ルーピン、今日の薬だ。今すぐのめ」
「わかったよセブルス。いつもありがとう」
目の前を通りすぎるそのゴブレットをレイは静かに見た。
「トリカブト?」
レイの呟きにふたりは振り替えって固まる。
「え。あ、ごめんなさい。臭いがした気がして」
勘違いね、とレイが謝るとルーピンは笑った。スネイプは相変わらずだ。
「今日はそろそろ帰るわね?ルーピン先生、紅茶ごちそうさま。先生の煎れる紅茶ってわたし大好きよ」
「そうかい、私の方こそ素敵なお菓子をありがとう。もうほとんど余ってはいないが、残りも貰っていいのかい?」
そうしてくれると嬉しい、とレイは笑って部屋をでた。
すぐ後ろにスネイプがついて出る。
「レイ」
「なあに、セブルス?」
「随分と魔法薬学が好きなようだな」
スネイプの口調には淀みがない。
「セブルスに鍛えられたお陰で魔法薬学って大好きよ。薬草学も同じくらい。将来はそっちの方面に行きたいわ」
相変わらずの穏やかな口調のレイも淀みはない。
「だから珍しい難しい魔法薬を調合するときには、見学させてね?」
スネイプはフンと鼻を鳴らした。
じきにホグズミートから帰って来た生徒の大群に行き当たる。
「あ、これスネイプ先生にもお裾分け。よかったら食べてください、マドレーヌ」
すぐさま呼び方を変えてレイは小さな紙袋を渡す。
「ハニーデュークスのより甘くないわ」
レイはそういってから人混みの中に消えた。
スネイプとて、長年面倒を見てきたひとりなのでレイには思い入れがある。
少しばかり機嫌をよくして、スネイプは職員室に向かった。
数分後、既に職員室に差し入れされていたバスケットからマドレーヌをひとつとって食べると、スネイプの僅かだった笑みはさらに深まった。
砂糖ではなく蜂蜜を使っているそれは、爽やかな後味ではあるが甘味は強い。紙袋の中身は、自分専用ということなのだろう。
「おや、セブルス機嫌がいいねえ」
今職員室に入ってきたらしいルーピンがいう。
「そんなに甘いものが好きだったのかい?紅茶をいれようか?」
「貴様の紅茶は甘くて飲めたものではない」
ルーピンは苦笑した。流石は蝙蝠、攻略は簡単ではない。

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先生に贔屓されてるとかされてないとかで問題になってたくせに、自分の部屋とか贔屓の塊やん!とかいうツッコミ.
そしてドラコがドラコじゃない件.
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