HP and SB 1 ○アズカバン編

□7 ハロウィーンの夜
3ページ/3ページ


「校長、あいつですわ!名前の通り真っ黒な瞳‥‥校長、シリウス・ブラックが!あぁ!」
夕食の後。
襲われた太ったレディの言葉に、誰もが固まった。
「すぐさま生徒を大広間にあつめるのじゃ」
アルバスの声が低く響いた。ハリーたちグリフィンドール生も来た道を引き返す。
「シリウス・ブラックがホグワーツに?どうやって!」
ロンも興奮ぎみだ。
「わからないわ。アズカバンを脱獄した奴ですもの」
ハーマイオニーも流石に驚きを隠せない。
「とにかく奴は、アズカバン暮らしで日付の感覚まで狂っちまってたんだな。ハロウィーンに襲いに入るなんて」
ロンは勢い良く話すが、隣のハリーの顔色は良くなかった。


その日は大広間で寝袋で寝ることになった。
「レイ、あなた随分と考え込んでいるわね」
ハーマイオニーの問いかけにレイはコクンと頷いた。
「何を?シリウス・ブラックの侵入方法?」
「それも」
じゃあ他には何?ときくハーマイオニーにレイはぽつりぽつりと答える。
「シリウス・ブラックは13年前、本当に殺人を犯したのかしら」
それにはハリーもロンも揃って目を丸くする。
「何をいってるんだい?当然じゃないか!」
「資料によれば裁判は行われなかった。彼は対闇の帝王のアルバスの指揮下にいた。なのに現状証拠だけで捕まったのよ?状況が凄惨だったからって誰も疑いを持たなかったのがおかしいわ」
3人は顔を見合わせている。
「彼の声を聞いたっていうけど、声なんて魔法でどうにかなるでしょう?それにアズカバンに入ってからの資料でも、彼がヴォルデモートを崇拝しているような行動は見られない。なのに彼は生きる気力を失わなかった。なにかがおかしいのよ」
レイは回りに聞かれないように小声で話している。あまりに突拍子のない話だとは自覚があったから。
「それから、なぜホグワーツに、グリフィンドールに侵入しようとしたのかしら?彼が在学中グリフィンドールだったから?ハリーを狙ったにしては寮に入ろうとするなんて、馬鹿正直すぎると思わない?」
そういってまた唸りだしたレイにハーマイオニーは言った。
「あなたの疑問には確かに一理あるわ。でも奴が狂ってて、実際に殺人を犯したとしても話は通る。考えすぎだわ」
「そうだよ、君眠っている間にダンブルドアに影響され過ぎたんだ。博愛主義みたいな。世の中には悪い人もいるって知らなきゃ」
ハリーに至っては呆れて何も言えないらしい。
「‥‥わかったわ。今のは忘れて」
レイはしぶしぶ言った。
丁度首席の監督生らしいパーシーが寝ろと叫びだしたので、四人はおやすみを言った。

*****************

人狼の何が悪い.
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ