HP and SB 1 ○アズカバン編

□9 bloody noel
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流血表現などあります。
閲覧は自己責任でお願いいたします。



3人は結局ホグズミートを楽しむ気分にもならず、四時頃には学校に帰った。
「ディナーは六時からよね?私、レイを探してくるわ」
談話室にかえってもレイはおらず、自室にもいなかった。
「きっと図書館にいるわ」
ハーマイオニーがでていったドアを見つめながらロンはため息をついた。
「ハリー、どうするんだい?」
「‥‥どうってなにが?」
「謝るんだろ、彼女に?」
ハリーはまだいらいらしているようだった。
「君の言ったことにはいろいろとまちがいがあるよ。彼女は穏やかな眠りについて幸せな日々を送ってたわけがないだろ?」
珍しくロンが諭す側に回る。
「周りの声が聞こえるのになにも伝えられないんだぜ?暗闇にただ閉じ込められてる状態だってハーマイオニーが言ってた。君も知ってるだろ?」
「それでも魔法界のことや自分のことを知れてた。それだけでもうらやましいね」
「例のあの人のこともね」
ハリーは訝しげにロンをみた。
「レイは当時3歳だった。噂じゃ両親を殺された瞬間も、自分に杖を向けられた瞬間も覚えてるって」
これはハリーのしらないことだった。
「君がブラックに思う復讐心みたいなものを12年間ぶつけられずに暗闇に閉じ込められてたんだ。穏やかなわけないだろ?」
ハリーはだんだんと自己嫌悪に陥っていった。
「‥‥くそ」
「いらいらしてた、それだけだよ」
ハリーはわしゃわしゃと髪の毛をかいた。

2時間後。
「おや、ハリー、メリークリスマス」
「ロニー坊やもメリークリスマス」
談話室でチェスをしながら過ごしていた二人の前に、ゾンコの悪戯専門店の袋を抱えた双子が現れた。
「「メリークリスマス」」
二人の気分はあまりさえないが。
「朝随分早かったみたいだね。朝食の時にはもういなかったし。何してたの?」
「「クリスマスプレゼントが楽しみだっただけさ!」」
そういう双子の腕には真新しい腕時計。プレゼントの1つだろうか?
「お前たち、そろそろディナーの時間だぜ?」
「遅れるとパーシーがうるさいぞ?」
部屋に袋をおくと、双子はさっさと談話室を出ていこうとする。
「ハーマイオニーとレイを待ってるんだ」
「「なるほど」」
しかししばらくして戻ってきたのはハーマイオニーだけだった。
「レイがどこにもいないのだけど‥‥」
その顔は何を想像してかかなり青い。
「君、二時間も探し回ってたのかい!?」
ロンは喧嘩のこともわすれたのか、素直に驚く。
「ああ、やっぱり寮には帰ってないわよね?どうしましょう、どこかで倒れてないかしら?」
なるほど、その心配か。
「ホグズミートからの道には倒れてなかったし、先生達のへやのどこかじゃないか?校長とか。家族なんだし」
ハリーは素直に言ったつもりだったが、思いの外言葉は刺のあるものになった。
「‥‥そうね、そうかもしれないわ。もう大広間にいるかも‥‥」
ハーマイオニーはぶつぶついって納得したようだったので、 3人は大広間に向かった。
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