HP and SB 1 ○アズカバン編

□6 穏やかに過ぎていく
2ページ/6ページ


土曜日、なにも知らずに朝部屋で本を呼んでいると、ハーマイオニーが現れた。
「どうしたのー?」
「どうしたのじゃないわ。今日はホグズミートの日よ。あなたもいくでしょう?」
「あ、今日だった?」
レイがのんびり聞き返すとハーマイオニーは呆れた。
「そう、今日!はやくご飯たべにいくわよ!」

朝食をたべたがらレイは驚いた。
「え、ハリーいけないの?」
ハリーは寂しそうに頷く。
「なんてこと‥‥」
「残るなんて言わないでね。いっぱい楽しんできて」
そういわれてしまうと言い返せない。
「まあ、ダメ元でマグゴナカル先生に頼んでみるよ」

残念ながらハリーの試みは失敗に終わった。
「サインできるのは親か保護者のみです。私はそのどちらでもありません。‥‥残念ながら、これは最終決定です」
マグゴナカルは実に申し訳なさそうに、しかし毅然とそう言い切った。
「いけないや‥‥。楽しんできて」
そういって校舎に戻っていくハリーを、三人は何とも言えない顔で見送った。

ホグズミートは実に楽しいところだった。学校に缶詰めの生活から開放される一時。三本の箒でバタービールを飲めば、疲れも癒された。
「次はハニーデュークスにいこうよ!美味しいお菓子がたくさん売ってるって!」
「そうね、ハリーへのお土産も買わなくちゃ」
レイは残されたハリーのことが気がかりで仕方なかった。
というのも、レイの許可書のサインはアルバスだから。
養子なのだから同然といえど、ハリーが不公平に感じても仕方ないと思った。
「‥‥はぁ。見かけによらず考えすぎるのはあなたの悪いところよ」
「‥‥見かけによらずって。‥‥ん?」
「どうかしたかい?」
「いま‥‥いや、気のせいね」
三人はハニーデュークスで沢山のお菓子を買って帰った。するとハリーは幾分機嫌がよく、聞くとルーピンがハリーの両親のことを教えてくれたとのことだった。三人は安心した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ