HP and SB 1 ○アズカバン編

□9 bloody noel
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大広間に入るとき、真っ先に双子の声が聞こえた。
「さっきハリーとロンが談話室でハーマイオニーとレイを待ってるっていってたんで、すぐ来ると思いますよ、校長先生」
「‥‥お、丁度だ。遅いぞ、お前ら」
「レイはどうした?」
パーシーががみがみ言う前に先手をうったらしい。
「やっぱり、大広間にも来ていないんだわ!」
ハーマイオニーがヒステリックに言う。
その声に、誰もが顔をしかめる。
「グレンジャー、どういうことです?」
すぐにマグゴナカルが問う。
「レイがいないんです、私、校内を探したんですけど‥‥!」
そこでハリーとロンも焦りだした。
「朝食のときはいましたね。いつから?」
パニックで口をパクパクさせているハーマイオニーの代わりに、ロンが答えた。
「ホグズミートで僕たち昼頃に喧嘩をしちゃって‥‥。レイは先に帰るって‥‥」
フレッドとジョージが席を立ったのは確認していたが、唐突に近くの壁に縫い付けられてロンはヒッと声をあげた。ジョージの拳がロンの頭の横の壁を殴り付けている。横目にみるとハリーもフレッドに同じようにされている。
「彼女をホグズミートでひとりにしたのかい?」
今まで聞いたことのないくらい双子の低い声だった。
「ホグズミートはホグワーツと違う。誰でも入れる場所なんだぞ!?」
「だから!わざとじゃなくて、喧嘩で‥‥」
「彼女が"日本人"だってわかっててか!?」
そこでハーマイオニーがヒッと喉を鳴らした。その可能性を3人は考えていなかった。
するとダンブルドアが立ち上がって言った。
「生徒諸君はクリスマスのディナーを楽しんでくれ。先生方と儂は彼女を探さねばならん」
「先生、僕もいきます!」
「私も!」
ハリーとハーマイオニーは声をあげるが、すぐにマグゴナカルが否定する。
「いけません。特にポッターは」
シリウス・ブラックがうろついている今、夜のホグワーツやホグズミートにハリーを出せるわけがない。
「「俺達はいきます」」
双子が声を揃えてダンブルドアをみる。
「‥‥よかろう。リーマス、ふたりと行動してくれ」
「はい、ではホグズミートの北側を」
「では南側を調べましょう!」
リーマスと双子、スプラウトが出ていく。
「おれは森を調べますぜ、校長先生」
「吾が輩は校庭を」
ハグリッドとスネイプも消える。
「私は城の北を調べましょう」
「私は南側を。シビル、悪いですが生徒たちを見ていてください。クリスマス休暇で教員も8人しかいませんからね。もしシリウス・ブラックが進入したり何か問題があれば、直ぐに合図を送って。パーシー・ウィーズリーも、ディナーが終わったら全員を寮に送って。レイブンクローの子もですよ」
「了解しました、先生!」
ダンブルドア、マグゴナカル、フリットウィックが去る。
「‥‥さて、みなさん?ディナーの時間ですわ」
シビル・トレローニーがいつものように消えるような声で、おどおどとした笑みを張り付けた顔で生徒に笑いかけた。
誰もがとても楽しめる気分ではなかった。
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