HP and SB 1 ○アズカバン編

□9 bloody noel
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「ホグズミートがこれほど広く感じたのは始めてだね!」
フレッドの呟きにふたりは返さない。
「ゾンコの店主も知らないっていうし、ホッグズ・ヘッドにもいない。北側にはあんまり店がないから残すは民家だけだ。片っ端から回るのかい?」
フレッドは苛立ちを口にせずにはいられないらしかった。ジョージとルーピンは対照的に黙りこんでしまっている。
「いや、あそこがある。村から少し離れているところに、叫びの屋敷が」
ルーピンは低い声でいった。
いつもの授業の頼もしい彼とはとても思えない。
「しかしあそこにいるとなるとかなり穏やかじゃないぜ」
フレッドは信じられないという顔で答えた。
「‥‥ああ、最悪の可能性を潰しに行こう」
ルーピンがいうと黙りこんだままのジョージが頷いた。
3人は走るようにして叫びの屋敷に向かった。



「ああ、なんてことかしら!やっぱり追いかけるべきだったわ!」
ハーマイオニーのヒステリックは勿論やむことがなく、ハリーたちを焦らせ続けた。
任務を仰せつかったパーシーはさっさとみんなを寮に送っていきたいようだったが、大広間で知らせを待ちたい面々はまだ食事中だと言い張り続けた。
「マグゴナカル先生!フリットウィック先生!」
と、大広間に二人の先生が現れる。
「レイは!?」
「残念ながら校内では見つかりませんでした。グレンジャーの探した通り」
二人の顔色は悪い。やはりかなり不味いことになっているらしい。
そこにダンブルドアが現れる。
「シリウス・ブラックについても変わりはないらしい。校内にはまるで異常がないようじゃ」
そういうダンブルドアもいつになくそわそわしているようにみえた。
「いまはみなの、とくにホグズミートに向かった者の連絡を待つのじゃ‥‥」
そしてダンブルドアは自らの杖を見て、静かにアリアナ、と呟いた。
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