HP and SB 1 ○アズカバン編

□11 強くなる
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先の事件については、デスイーターが絡んでいたこともあって箝口令が敷かれた。
というのも、明日は休暇最終日、帰省していた学生が帰ってくるのだ。
レイも何事も無かったように過ごすためにも本日退院。大広間にてちゃんとした食事をとることが可能になった。
「ポッター、塩を取ってくれ」
「ん」
「ちょっとかけすぎじゃない?将来禿げるわよ」
「なっ!」
休暇中ひとつのテーブルで食事をとり、チェスをして遊んだりしていたドラコはいまやすっかりグリフィンドールの面々と馴染んでいた。
「禿げるとかいうな!グレンジャー!」
それを信じられないという目で見るのはパーシーとジニーと、レイブンンクローの四年生くらいのもので、残りの面々は大して驚くこともなく過ごしている。
「‥‥しかし、このテーブルでそろって食事をとるのも今日までだな」
「明日の朝と昼は?」
「お前たちは昼過ぎに起きてくるだろう?」
ドラコはドラコでこの状態を気にいっていたらしく、少し寂しそうに言う。
「なら学校が始まってからもたまにグリフィンドールでご飯食べたらいいわ」
「できるか!そんな事!」
呑気なレイはドラコの気など知るはずがない。
「はあ、いいか?僕は明日からミスタースリザリンに戻るんだからな!」
「「「それ、自称しちゃうんだ」」」
ハリー、ロン、ハーマイオニーは呆れて言う。
「ふん、足元すくわれるなよ!」
そういってシチューをかっこむドラコを、今更元のイメージに戻そうにもできるはずがない。
その為苦笑しながら彼を見るみんなの目は穏やかだった。

その24時間後。
「別に。汽車で帰る気分じゃなかったから、僕は母上に頼んで煙突飛行ネットワークで帰ってきたんだ。その方が速くて楽で、しょうもない汽車に揺られなくて済むからな!本来なら生徒は使えないけれど母上は‥‥」
帰ってきたスリザリン生に囲まれると大口を叩かないわけにはいかないのかそこには鼻を鳴らしながら話すミスタースリザリンがいた。
「あいつも大変なんだろうな」
「プライドにガンジガラメって感じ?」
それでもハリーとロンは、ちらちらとグリフィンドールのテーブルを見やるドラコに気づいていた。
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