HP and SB 3 ○騎士団編

□9 I must not tell lies.
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「でもよく初めてでうまくできたわね」
ハーマイオニーは素直に不思議そうに聞いた。
「それはまあ、近くに開心術を平然と使う人がいるからねえ……イメージはしやすかったわ」
レイがため息をつきながら言うと、男子ふたりは目を見合わせた。それからロンが思い付いたように言う。
「ダンブルドアか!」
「ああ、アルバスねぇ。確かに」

レイの答えにハリーは返した。
「他に誰か?」
わからないのはハリーだけではないようだった。
「勿論、リーマスよ。心当たりはあるでしょう?」
「「「は?」」」
だからレイがいとも簡単に答えた際には三人して間抜けな声をあげた。
「リーマス?」
「思い返して見れば沢山思い当たるはずよ」
レイは半分呆れたように言った。
ハリーはそこでリーマスと関わった時のことをいくつか思い出してみた。


「私が、君にはまね妖怪と戦う能力がないと思った。そんなふうに考えていたのかい?」
ボガードとハリーとの対峙を阻止したリーマスに疑問を持っていると、リーマスはそう鋭く言い当てた。

「弱いかどうかは全く関係ない」
自分だけディメンターの影響を受けることを相談しようとしたとき、"まるで心を見透かすよう"にリーマスは言った。

「うーん、でも来てよかったよ、今日は。──何か隠し事があるみたいだから」
レイがリーマスに黙ってトライウィザードトーナメントに出ようとした際、偶然現れたリーマスはハリーたちに会うやいなやすぐにそう言った。

「君を迎えにいきたいと名乗りを上げる人が、びっくりするほど沢山いてね」
今年の夏、プリベッド通りに大勢の魔法使いが現れたことを疑問に思ったとき、リーマスは"ハリーの心を読んだかのように"言った。


「うわぁ……」
ハリーは頭を抱えた。思い当たる節が多すぎる。
「え、僕わからないんだけど」
ロンは特に思い当たるところはなかったらしい。
「そうねぇ。あ、なら思い出して。リーマスとシリウスが叫びの屋敷で再会したとき。リーマスはシリウスが殺人犯の裏切り者だと12年間信じてきたのに、シリウスに杖を向けて目を合わせたら、シリウスの無罪を理解していたでしょう?」
レイの言葉にハーマイオニーがはっとした。

「私、この前あなたに初めて開心術について聞いてから調べてみたんだけど、開心術では目を合わせる必要があるのよね!」
ロンが納得の表情を浮かべた。
「おったまげー……」
「まあ……こう言うのはどうかと思うけれど。あんまりあの笑顔、信用しないほうがいいわよ」
レイは苦笑しながら言った。
ハリーは今までで、リーマスに心を覗いていると感じたことはなかった。つまりそれだけの玄人だということか。
「ははは……」
出てきた笑いは乾いたものだった。




あとがき

出てきてないのに存在感を放つリーマス回でした.笑
アズカバン編では狼人間だとばれなかったリーマスさんですが、ここに来て発覚.まあこのタイミングのズレは、ゴブレット編でリーマスがちょくちょく学校に来るためのものでした.おかげでやりたかった、第三の課題の後の"私の娘だ!"(元ネタ:エイモス)ができたしね!笑

でもって原作より圧倒的に早い開心術の登場.
しょうもない考えなんですが、(創作ではなく)原作リーマスが開心術に秀でているのでは?という考察をさせてください.
はい、もうここで読み終わって下さって結構ですので.笑
一応次のページで語りたいことを語ります\(^o^)/
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