読み切り

□土方「祭りに」
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 縁側で涼んでいたら、低い声がかけられた。

「珍しいカッコしてるじゃねぇか」

 いつもの平服ではなく、浴衣姿の私に土方が眉を顰める。

「地主神社で七夕祭りがあるんだそうです」

 ぴくりと眉目が動く。

「一緒に見廻りに行きませんか」

 見廻りは名目で、格好からして遊ぶ気満々なのはわかっているだろう。
 それでも、私はこの人と行きたい。

「行きましょう、土方さん?」

 断られても良い。
 この人がどんな答えを返してくれるのか、それが知りたい。
 期待に満ちた私の前で、土方は深い息を吐いた。
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