読み切り

□山南(御礼夢)
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 塾が終わって部屋に戻ってみると、机に一枝の桜が生けてあった。

 直ぐ側には見慣れた文字で「お疲れ様」と。

 御礼を言うのは私の方なのに、いつも彼女に先を越されてしまう。

 小さく微笑んで、大切にその手紙をしまった。

 直後に、彼女が現れる。

「山南さん、美味しいお饅頭をいただいたので、一緒に戴きましょう?」

 疲れているときは甘い物がいいんですよ、と。

 こうして何時も君と過ごす時間が、いつまでも、いつまでも続けばいいと願った。
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