読み切り

□服部「いつもそこに」
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 あの人はいつも静かにそこにいてくれる。
 何も言わずに守ってくれる。

 それが嬉しい反面、信用されていない気がしてイヤだと思うのは天の邪鬼な自分だ。

「服部さん、私自分の身ぐらい自分で守れます」

 巡察の帰り道ぽつりと漏らすと、苦笑と共に頭を撫でられた。

「子ども扱いしないでくださいっ」
「そうじゃないんだけど、気に障ったようならすまない」

 簡単にこうやって謝られるのが嬉しい反面、なんだかそれも宥められているような気がして。

 だったら、もういっそ奇襲でもかけてやろうかと睨みつけた。

「!?」

 かすめるような熱が口許を通り過ぎ。

「…服部さん…?」
「ごめん、つい」
「ついじゃありませんっ」
「だって可愛いからさ」


 かっ



「可愛くなんかっ」

 大きな声で反論しようとすると大きな腕で引き寄せられて、抱きすくめられる。

「かわいいかわいいかわいい」
「…止めてください」
「ほら、かわいい」

 いつもこうして私の方が負けてしまう。
 だから、やっぱり服部さんはずるい。
 何がだからで、何がやっぱりかは答えられないけど。
 いつもいつも見透かしてるみたいな服部さんが大好きです。
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