お題

□本気で怒りたくなる理由
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※蘭天になります。3月8日は蘭天の日!















ケンカした。天馬とケンカした。




アイツが悪い。俺は弱くない。


俺だって1人の男なんだ。







****











「ははっ、なんだ?霧野。なにかあったか?」






あるには、あったが。なぜ、わかったのだ?




神童はベッドから上半身だけ起き上がると、こっちを見て、少し微笑みながら






「霧野は昔から顔に出るタイプだぞ?いまだって、当てられて不思議そうな顔してる。」










……そうだったのか。


天馬といるときも注意…って、今はケンカ中だ。

一緒にいる訳が、ない。






「まさか霧野。天馬の事…

「あー…話すよ、何があったか。」






「 ……数日前、天馬と待ち合わせしていたら、高校生辺りの男共にナンパされた。」


「だから?それがどうしたんだ、霧野。」





「天馬が、助けてくれた。」




仏頂面で神童にそういうと、
小首を傾げて、


「なんだ、別にいいことじゃないか。で、天馬に何て言ったんだ?」



「……余計なお世話だって言った」






そういうと、神童は呆れた顔で、




「はぁ…。それは霧野が悪い。謝ってこい。」







「はぁ!?」



「はい、いってらっしゃーい。」





目が笑ってない神童に見送られ、天馬の住んでいる、木枯らし荘へ向かう。





途中で、逃げ出しても良かったのだが、勝手に足が進む。







…分かってる。俺が悪いこと位。



だが、俺が彼氏なんだ。

男なんだ。天馬を守りたいんだ。




それが、本気で怒りたくなる理由。










END

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