Pandora Hearts
□深淵の双子
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深淵と呼ばれる、暗闇の
更に奥底――……最下層
アヴィスの意志と呼ばれる少女の領域
そこに、二人の。
黒と白の少女がいた
「ねぇ、アリス」
白い少女は慈しむように語りかける
「なんだ、アリス」
黒い少女は呆れたように応える
「ここには私たちしかいないのかしら?」
「知らない。気になるなら、探してこようか?」
「ううん。良いの。……だって、アリスがいるじゃない」
「私は二人だと寂しいと思うがな」
「二人だけでもないわ。チェシャもいるじゃない」
「あれは猫だろう。話が通じない」
「なら、チェシャも人に近いカタチにしてしまえば良いのよ」
「そうか。名案だな。私には関係ないが」
「そんなこと言ってないで、ほら。楽しくお茶でも飲みましょうよ」
アリスの独白は、まだ終わらない
白と黒が決別するのは、ここからしばらく後のことだった――……