Pandora Hearts

□黒兎の大鎌
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「貴様。何を考えている!? 私を無闇に怒らせるとは、ただのバカなのか?」

「え? 俺。何かしたかな?」

「とぼけるな。私のことで、何かおかしなことを考えていただろう」

……そうだっけ?

覚えていない

そんな気もするし、違う気もする

曖昧だ。不明瞭で、自分のことなのに白々しい

「……おい、オズ。こんなことは言うまでもないと思っていたが、言っておくぞ」

アリスは腰に手をあてて、怒っているようなポーズをとりながら

「私の悩みは私の所有物だ。お前の悩みがお前の所有物であるように。だから、共有したいと思ったとき以外にそうして悩むのは、自分のことだけにしろ。それ以外のときは何も気にせず笑っておけ!」

と、一息に語る。
それに俺は

「……そうだね」

と言って、心から笑った
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