ケロロ軍曹
□争奪!タママvs睦実!
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━━━Round3
暗く広がる空には低く轟き渡る雷鳴。そして、時折吹きつける風は土煙を巻き上げてくる。
三人はまさに今、最終決戦を迎えようとしていた。
「うわぁ、凄いセットだね!」
「シュミレータールームですから、こんなものおちゃのこサイサイですよぉ」
「へぇ〜、やっぱケロン人ってスゴイなぁー」
好奇心いっぱな笑顔でセット内部を見回す冬樹に、タママは思わず顔をほころばすと改めて大きく息を吸い込んだ。
そして、意を決して構える。
「さぁ、行くですよ。フッキーはボクと軍曹さんのモノになるですぅ!」
「俺も全力で行かせてもらうよ」
互いの間に火花が飛び散るなり、どこからともなくゴングが鳴り響いた。
カーーーン!!
それを合図に、タママは一気に力を右の拳に集めると、睦実目掛けて走り出した。
黒い稲妻に包まれたパンチを睦実は間一髪のところでかわす。そして、素早く数枚の紙を放り投げて応戦。
すると、鋭く光る剣の群が空を切り裂き標的に向かって飛び出した。
「そんなもの木っ端みじんだゴラ゛ァーーー!!!!」
タママの吐き出したタママインパクトが炸裂!
全ての剣があっという間に掻き消された。
「どんなもんです!……って、うあ〜〜〜!!」
一瞬のガッツポーズもつかの間、その状況にタママは慌てふためかずにはいられなかった。
タママインパクトの勢いは弱まることなくあろうことか、冬樹一直線に襲い掛かろうとしていたのだ。
とてもじゃないが避け切れる距離ではない。
「冬樹君!」
「うわぁーーー!!」
物凄い爆発音と煙りが一面に広がり、数秒の静寂が辺りを包み込んだ。
「フッ、フッキー!?」
冬樹のいた場所へ慌てて駆け付けると、タママは自分の意思とは別にその足を止めていた。
そして胸の奥が締め付けられる感覚に襲われていたのだった。
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