(マ)シリーズ
□碧色
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君の瞳はどんな色よりも綺麗な色をしている。
§碧色§
「ねぇ、フォンビーレフェルト卿。君は僕のことをどう思う?」
僕のいれた紅茶に口を運んでいた彼は、目を丸くして僕を不振な目で見つめ返した。
その綺麗な碧を向けて。
「猊下、いきなり何を言いだすんだ」
「いやぁ〜、ちょっと気になっちゃってさ。で、本当のところはどうなのかな?」
「どうと言われても……猊下は猊下だ」
渋々といった感じで答えた彼は、スッと僕から視線を外すと窓の外から見える人物に的をあてた。
僕の親友でもある第27代眞魔国魔王。
「渋谷が気になる?」
少しだけフォンビーレフェルト卿の肩が揺れると、別に、とだけ囁く声がした。
動揺させてしまっただろうか。
「君は一途だからなぁ、その隙間に入るのはなかなか骨が折れるよ」
「……何を言っている?」
「ん?分からないかなぁ?僕の気持ち」
「何だ?」
「こういうコト」
椅子から立ち上がると、キョトンとしている彼の桃色の唇に僕のものを触れさせた。
やわらかくて甘い香りが僕を刺激する。
「好きだよ、フォンビーレフェルト卿」
誰よりも……。
そう、眞王よりも深く。
その碧色に誓って……。
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