(マ)シリーズ
□幸せの時間
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§幸せの時間§
いろんな事があったなぁ〜なんて考えたらキリがない。
地獄の世界から拾われてから、今じゃ女装をたしなむまでになったもんだ。
……とゆーより、女装はむしろお楽しみになっているんだがな。
「閣下もやってみたらどうです?女装」
少々俺が嫉妬してしまいそうだけど、このわがままプーことヴォルフラム閣下には似合いそうじゃないか?
「水色のドレスなんてどうです?白いフリルとリボンがあるとまた最高ですよー?」
二人きりの部屋は日差しが差し込んで暖かい。
うっかりしたら眠ってしまいそうだ。
「お前と一緒にするな。ぼくには女装をたしなむ趣味はない」
「ああ、でしょうね〜」
やっぱり却下されたかぁ。でも一度は拝見したいもんだ……閣下のスカート姿。
「……それに、そんなものを身に付けてみろ、兄上やユーリに笑われてしまう」
「閣下、笑われるんじゃなくて逆に……いや、それよりどうなんですか?ユーリ陛下との進展は」
「――〜〜っ!!」
ガタガタ!!
「うわぁ!!!」
ガタガタって、あーあ、書類撒き散らしちゃって動揺し過ぎっすよー。
おやぁ、耳まで真っ赤にしてる。
ホント閣下って
「可愛いんだから」
誰にも真似できない取り柄っていうのか。
「ムゥ…、何か言ったかグリエ!」
「いいえー、閣下もついに大人の扉を開けてしまったのね〜なんて思いましてねん♪」
「な、何を!?ぼくとユーリはなにもしていない!」
「閣下……それはそれで悲しいですよ?」
「うっ、うるさい!」
いろんな事があるけど、たまにはこんなのんびりした日も良いもんかな。
ねぇ、閣下?
*END*
→あとがき