ケロロ軍曹
□ギロロの長い一日
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・キリ番長に捧げます+
何事もなかった日曜、只今PM16:23 テント前。
何やら冬樹少年が二枚の紙切れをギロロ伍長に差し出しているようです。
「映画……?」
「うん、本当は睦実さんと行く予定だったんだけど行けなくなっちゃったから」
「ふん、何故俺に言う?他をあたれば良いだろう?」
「ううん、これはギロロが姉ちゃんを誘う切っ掛けに使ってほしいんだ」
「く、くだらん」
平静を装っているように見えるギロロ。
しかし彼の魂には熱い炎が既に点火していた。
(俺が夏美を誘う……だとぉぉおぉぉお!!!?)
☆ギロロの長い一日☆
――PM 16:46 リビング
今俺の前には、冬樹から貰った映画のチケットが二枚ある。
「ど、どうする。夏美を誘うか?」
いやしかし、どうやって?俺と行ってくれるかと言ったところで断られるのが関の山だろう。
「というより、これはデッデートじゃないのか?」
夏美と二人きりでデートか。
ケロロの受け売りだが、確かポコペンの定番デートは映画の後は食事をし、それから静かな場所で今後の二人の話を語り合いそして……××!
「ぐわぁ!いかん俺としたことがっ。しかし冬樹の想いを無駄にするのも気が引けるな……どうする?どうすればいい?」
夏美を誘う……夏美とデート……二人きりの夜。
夏美と二人きり!
「ムフフフフ」
ギロロ伍長デレデレモード展開中!
「ヤダ何?気持ち悪いわね」
「ぬわぁぁあぁ!!なッ夏美ィ!!?」
「ちょ、ちょっと何よぉ!?」
「なッ何でもない!何も考えたりなどしていない!」
「へぇ、ふぅ〜ん?考え事ねぇ?」
いかん、俺とした事が墓穴だ。
「なに大したことではない、ポコペン侵略の策をだな」
「そう、私に隠し事しよーっての?ギ・ロ・ロ?」
「かッかく隠し事など!おっ、俺は武器の整理をしてくる!」
「あ!待ちなさいギロロ!」
―― PM17:08 屋根の上
はぁー、危ないトコロだったぜ。
ここは慎重に……誘うにはもう少し様子をみてからでも。
「あら、そのチケット今日までー?」
「なッ何ィ!!?」
それよりこの声は!!
「チッ、俺の背後に立つな小娘が!」
「よっと!エッへへ〜小雪の嬢見参!」
くそっ、厄介な奴に見られちまったな。
しかし、コレだけは譲れんのだ!!
「それって映画のチケットだよねー?まさか夏美さんと行くつもり?」
「……だったらどうだと云うんだ?」
「ウフフ、決まってるじゃない、そのチケットを奪うまでよォ♪」
だろうと思ったぜ。
この手はあまり使いたくはなかったが……。
「擬人化システム始動!夏美とデートするのは俺だぁ!!」
「そうこなくちゃ!私も本気で行きますよ☆」
「たわけッ」
敵ならば誰であろうと容赦はせん!!!!
「いざ!尋常に勝負!」
「覚悟!!」
ドドドドドドドドドド!!!!
ピシュルルルルルルル!!!!
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