ケロロ軍曹

□冬樹侵略!―侵―
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☆冬樹侵略!―侵―☆




「い、痛い」


四方から伸びてきた触手は、あっという間に僕を締めあげた。
身体の自由を奪われ、唯一出来ることといったら声を発することだけで……。
だけど、その声は擦れ、虚しく聞こえるだけだった。


「ひどいよ、何でこんなことするの?」

「ポコペン人のやり方を試してみたい。身体の接触……それがお前たちにとって、もっとも手っ取り早い行為だと出た」


身体の接触って……まさか、まさかそんな。


「僕を、どうするつもり?いやだよ、いやだ!こんなの止めてよ、ガルル!!」

「残念だが、それは受け入れられない」


するとガルルは、壁にもたれていたゾルルに何かの合図を送った。


「ぃ…やだ…いや……」


応じたゾルルの左腕から刄が現われると、僕に狙いを定めた。
それを察したのか、這いずり回る触手が僕から離れていく。

今なら逃げられるかもしれない。
逃げるなら今がチャンスだ。

なのに、それなのに身体が……動かない。


まるで金縛りにあっているみたいに。



「わぁッ……!!」



一瞬のことだと思う。
光が走った次の瞬間、身に付けていたパジャマや下着、それらの残骸が宙を舞っていた。


「愚かなり、ポコペン人」


呆然とする僕の視野に、ゾルルの鋭利な刄が見えた。
その冷たい光を放つ凶器には、恐怖と悲しみ……どちらとも取れない顔をしている僕が映っていて……なんて情けない顔だろう。




『……冬樹殿……』



怖いよ。



『冬樹殿は我輩の最良の友。冬樹殿に何かあれば我輩、いつでも駆け付けるであります!』



怖いよ軍曹。




「軍曹ォ、助けて……」


卑怯だ。
こんな時にだけ軍曹を頼るなんて……僕は、僕は卑怯者だ。


その場にへたり込むと、また触手が僕を捕らえはじめた。
素肌に巻き付いた触手は、なんの指示をされたわけでもないのに、僕の弱い場所を責めてくる。

胸の突起や腹部に内股。


だけど、肝心な場所は責めることはしない。
ううん、これは故意的にしてこないんだ。

僕が感じないようにしているから……だから。


「素直じゃないな」


いつの間にか目の前にいたガルルが呟いた。
その表情を読み取ることは出来ない。
…ただ、怖いとしか言い表わせない不陰気で。


「口を開けてもらおうか」


それだけ言うと、ガルルに頭を掴まれ、口の中に一本の太い触手を入れられた。
奥まで入れられたおかげで息が苦しい。


「んン゙……ッ」

「しっかりくわえろ。君に拒否権はない、私の命令は絶対だ」


全てが真っ暗になった気がした。
ここから……ガルルから逃げられない。

そう感じた瞬間、何かが僕の中から抜け落ちた。





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