☆
□in a loud voice
1ページ/1ページ
★in a loud voice★
干し終えたばかりの洗濯物が、気持ち良さそうに風に揺れている。
そんな清々しい朝。
「サイクリング日和でありますなぁー」
そして本当ならば……と、我輩は何気に空を見上げた。
澄み渡った青い空に点々と広がる白い雲。
それは形を変えゆっくりと流れ去っていく。
「侵略、どうすっかなぁ」
こんな弱音をあの赤ダルマに聞かれたら、きっとこっぴどく説教されるに違いない。
正直なところ、我輩はどうしたら良いのかわからなくなっていた。
複雑な板挟みってヤツですよ。
「任務が終わっちゃったらサヨナラなんだよね」
口にした途端、自分の言葉に胸が痛んだ。
それが何となく不愉快で、我輩は無理矢理笑い飛ばそうとした。
「バッカだなぁ〜我輩。そんな先のことなんて判んないじゃん!それに侵略出来ないかもしれないし?って、いや、できないわできないで困るんだけどね……」
視線を二階の部屋に向けると、景色がボヤけていることに気が付いた。
我輩ダメだね、軍人なのにさ。
「……らしくないであります」
いやいや、大丈夫……我輩なら何とかやっていけるであります。
今までだって何とかしてきたじゃない。
そう自分に言い聞かすと、空に向かって叫んでいた。
「我輩は負けないんだぁーーー!!!」
そうであります!
我輩は誰にも……自分の弱音にも屈しない男!
「それがケロロ軍曹であります!!」
そして、我輩は……
「冬樹殿が大好きだーーーー!!!!」
ちょっと沈みかけていた気持ちも、この晴天のごとく爽やか。
そんな我輩の後頭部に、夏美殿の投げ付けたオタマが命中したとかしないとか。
*終わり*
提供:空をとぶ5つの方法