創作BL
□君の存在
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冷たい石の壁が、永遠に続いている。
僕は、魂の抜けた君の入れ物を抱きかかえ、ひたすら螺旋階段を進んだ。
行けども行けども辿り着けない。
君はどこへ旅しているのだろう。
僕を置いてどこへ行ってしまったのだろう。
この行く先に辿り着けば答えは出るのかもしれない。
それがいつの事になるのか今は判らないけど、きっと見つかるはずだ。
君はいつも傍にいて笑ってくれていたから。
見つけてみせるよ。
だから待っていてほしい。
僕は君を見つける。
君の魂を……この身体に戻してみせる。
螺旋階段は続いていた。
見上げた闇に続いていた。
それでも僕は登り進める。
君を取り戻すため……。
†