ケロロ軍曹
□花火散る先へ…
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☆花火が散る先へ…☆
俺は今、夏美に誘われて花火大会とやらに来ている。
辺りはポコペン人がごった返し、歩くことすら難しい状況だ。
「夏美、この戦場地は敵味方の区別がないのか?」
俺はごく当たり前の質問をしたつもりだったのだが、それを聞いた夏美に軽く笑われてしまった。
「戦場ねぇ……確かに、一理あるわね。けど、そんなんじゃないわ」
「何?なら、お前の着ているソレは何だ?戦闘服ではないのか?」
「バカ、違うわよ!」
夏美は急に怒りだし、足早に歩きだして行ってしまった。
なにか気に障るようなことを言っただろうか?
俺は夏美を見失わないように追い掛け、その細い腕を掴んだ。
「どうした夏美、なにを怒っている」
「別に怒ってなんかないわよ。……そうよね、考えてみればアンタ、地球(ここ)での礼儀なんて知らないものね」
ポコペンの礼儀?
「なんの事だ?」
「もういいの!それよりほら、こっち来て」
そう言うと、いつもの笑顔が俺に向けられ、手を……俺の手を引っ張って走りだした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
それから数分後、俺たちは朽ち果てたビルの屋上にいた。
「うん、誰もいないみたいねー♪」
こんなところで何があるというのだろうか?
夏美はしきりに腕時計を気にしているようだった。
「そろそろかなぁ?」
「夏美、一体何だというんだ?確か、花火大会だと……」
「そうよ?だからこの場所が良いの」
さっぱり判らない。
だいたい、花火大会とはなんなんだ。
疑問ばかりが頭に浮かぶ。
だが、せっかく夏美が誘ってくれたんだ……それに、こんな笑顔を見せられたら。
「なにも言えないじゃないか」
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