大日本帝國軍人、いざアメストリス國へ

ーー上官殿…
我等が祖國大日本帝國は富國強兵の國。
我等が籍を置く軍は、世界最強の軍であると私は信じております。
今日の亜細亜、独立國は我等が祖國のみです。
我等は亜細亜諸國独立という正義の名の下にいます。
我等が目指すは亜細亜の植民地解放。
ー中略ー
今私は我等が國とは似ても似つかぬところにおります。
祖國の内情、諸外國との情勢は知る由も御座いません。
私は気になって仕方がないのです。
今この時、祖國はどうなっているのですか。
勝っているのですか。
沢山の戦死者を出し、勝ち取った外国日本國領は手離してはいませぬか。
ー中略ー
この國はおかしい。
何かがおかしいのです。
それが人々の行いなのか倫理なのか、私は分かりませぬ。
静かに、確実に、何かが近づいてくるような感覚がするのです。
ー中略ー
私はこの國の人々のことは嫌いではありませぬ。
私の今の上官殿は、とても良い方です。
名をマスタング大佐といいます。
ー中略ー
本当に申し訳御座いません。
会わせる顔も御座いません。
今私はこの國の軍人として、この國で果てようとさえ、思うております故最期の手紙で御座います。
お手数お掛け致しますが、私の父上様母上様に、今まで口答えばかりで申し訳ございません、とお伝え願います。
みな出陣の為、既に外に出ております故、これにて今生の別れとさせていだきます。
乱筆にて御免。
どうかお元気で。



ー大日本帝國軍人
  いざアメストリス國へー

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