SaGaRuシンドローム
□第2話
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『いつまでそうやって待ってるつもり?』
すると、彼女は肩をあげて驚いた。
まぁ、さっきまで部活していた俺を見ていたからね。だからわざと後ろから声をかけたらそりゃ驚くか。
「あっあの…その…」
『あっそ。大体、俺の部活姿見たからって何にも得しないけど。』
「あっ!な…何で…知って…」
『隠れてるつもりだったかもしれないけど、普通に分かったから。大体、隠れるの下手すぎ。』
「うっ…」
『ていうか、何で見てたわけ?』
「…退くんの部活姿…見たかったから…」
『ふ〜ん。つまりは、汗流してる俺が好きなんだ。へぇ〜じゃあ、見せてあげようか?』
俺はそう言うと名無しさんちゃんを壁に追い上げた。
「…っ」
『あれ?抵抗しないんだ?抵抗しないならこのままヤっちゃうよ?』
「い…いよ…」
『は?』
「………それで…退くんが私を好きになってくれるなら……いいよ。」
俺は名無しさんちゃんからどき、背中を向けた。
『…馬鹿じゃない?俺が本気ですると思った?』
「………」
『ていうかさ、その考えいい加減にやめたら?俺が名無しさんちゃんのこと好きになるワケないって、今日言ったよね?』
「……でも、私は退くんが好きになってくれるって信じてるから!」
『じゃあ勝手に思ってなよ。何度も言うけど、それはないから。』
と言い、俺は体育館へと姿を消した。