BOOK

□ボディーブローカー
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もしもし、こちらミルキーです。この「cellphone!」という妄想携帯擬人化小説でヒロインというポジションをいただいています。
現在の時刻は22時。とりあえず今日は夜分遅いしこの小説の主人公にだけ接触しようと思います。

――ご主人達が会ってる時に導入ネタをやればよかったとしばし後悔しながら移動すること約1時間、


「やっとついた…。」


エロゴンが住んでいる緑の部屋に到着。
>RingRing!!


『はいはいどちら様っスかー?』
「933SH、ミルキーよ。」
『えっ、ミルキー!?ちょ、ちょっと待ってて!!!』


バタバタと何やら激しい物音が聞こえる。それからしばらくして髪をベタベタにした男が出てきた。


「お・ま・た・せ☆」
「そんなにゴロゴロしてたの?寝癖直ってないけど。」
「ちょォ!?い、言わないでよ!ミルキーちゃんってば男心ってやつを全く分かってないんだから。」
「そりゃー悪かったですネ。」


そう、この顔はいいくせに色々残念な男が"エロゴン"である。


「ま、立ち話も何だし入りなよ。」
「うん。」
「散らかってますがドーゾ。」
「逆にエロゴンの部屋が綺麗だった事がないよ。」
「ご主人がフォルダ整理をちゃんとやんねーのがわりーんだ!」
「あんたはそれ以前の問題でしょ。」


部屋に入れば確かにご主人の"メモリー"も一つ二つ落ちていたが部屋に散らばっているほとんどのモノがエロゴンの私物だ。


「ミルキー何飲む?紅茶?」
「もち。」
「ミルクと砂糖は?ミルキー?」
「バックドロップぶちかますわよ。」
「すいません。」
「いつも通り無糖で。」
「あいよー。」


ベッドの上の布団が四角く盛り上がってる気がするが気のせいだろう。


「はい。」
「ん、ありがと。」


うん、ちょっと苦いこの感じ。紅茶だけは煎れるのが上手い。ちなみにエロゴンはもう11時だと言うのに炭酸を飲んでいた。ここはご主人譲りだろうな。


「で、どったの?こんな時間に。」
「あら、お楽しみの最中でしたか?」
「は!?そそ、そんな訳ないじゃんミルキーちゃんってばハレンチなんだから〜」

バシイッ!


痛い。


「いたたた!ちょ、ほっぺ引っ張らないで!痛かったんだねごめんね!」
「あんたこそレディーに対して礼儀がなってないわよ。」
「本当マジすんませんでしたァ…!!」


エロゴンがちょっと涙目になってきたから離してやった。


「別に理由はないけど、」
「何か…エロゴンに会いたくなっちゃって…。」
「は?」
「俺も会いたかったよミルキー!」


想像力が豊かな携帯だ。
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