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□辞書にない愛の形式
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――ある夏の日の事、


「あー……死ぬ、もう死ぬ。熱ィ…。」
「大丈夫ですか?」
「マスター、この暑い中ケータイ使い過ぎだぜ…ムービーとか本当もうダメ…。」
「情けないですね、日頃の鍛練を怠っているからですよ。」


シンフォイーターがバテてしまった。確かに今日は暑い。そこにムービーやら〇イッターやらで酷使したせいで電池パックがかなり暑くなってしまったのだ。

それ故、現在保健室。


「ほい、なっちゃんリンゴ味。ついでにユピィちゃんの分も買っといたぞい。」
「珍しくは気が利きますね。」
「それ程でもー」


あまり褒められていない事にエロゴンは気付いていないのだろうか。ユピィはカルピスとなっちゃんを受け取るとなっちゃんの蓋を開けコップに注いだ。


「はい。」
「感謝しろよーシンフォ。」
「クソエロゴンに借り作るとかマジ最悪…。」
「バテても可愛くないなー。」


何故かシンフォはエロゴンを嫌っているが好物のなっちゃんリンゴ味はやはり美味しいらしくほっこりと顔をほこらばせていた。
――カラカラカラ…


「あ、ミルキーおかえりー。」
「タオルと、ワイシャツ。」
「ワイシャツ?」
「汗くさそうだから着替え。このタオル濡らしておいたから身体ふいてあげなさい。」
「男の体触ってもつまんないよミルキー。」
「女の体触ったら殺すわよ。」
「ヤキモチやさんめ☆」


バシィっ、と強烈なデコピンを添えてミルキーはタオルを手前にいたエロゴンに渡した。


「きょ、強烈ゥ〜…」
「さっさと働きなさい。」
「うー……、ハァ、マジ…あー………、只野なんか触っても興奮しねーよ。」
「興奮したらしたで心底気持ち悪いから。」
「俺だってお前に体ベタベタ触られるのなんてゴメンだ!!」
「…エロゴン、命令。」
「め、命令…!!」
「うぇえ〜キモイキモイキモイキモイ。」
「だから只野に言われても何も嬉しくないの!」
「喜ばせる気ねーよ!」
「あぁもううるさいですよ!」


ガターン!とシンフォが寝ているベットの横に座っていたユピィは勢いよく立ち上がった。
ユピィさんご乱心のようである。


「折角ミルが只野なんかの為にこのタオルを濡らして…その上絞ってくれたと言うのにグダグダと…!!」
「そんなにすげー事じゃなくね!?」
「私がやります!」
「え、ユピィちゃんが!?」
「お前が!?」
「はい!!」
「……はぁ、最新のくせに使えない携帯ね。流石ユピィよ5年物だというのに万能だわ。」
「え〜〜!ずっりぃずりぃよ〜只野のくせに〜うらやましい〜!!」
「うるさいわね、あんたがさっさとやらないからでしょ。」
「だってまさかこんな事になるなんて〜」
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