小説
□痛み 幸真
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(幸村がまだ入院中の設定)
「精市?」
俺の真田が心配そうに俺の顔を覗きこんできた
いつの間にか苦しそうな顔をしていたのだろうか
「俺は大丈夫だよ、真田。」
そして俺は彼に心配をかけぬように無理に笑みを浮かべた
「そうならいいのだが…。」
真田は少し不満だったのか眉間にしわを少し寄せている
そして俺が大丈夫そうなのと分かったのか今日の出来事、今日の授業で習ったとこ、部活の事など色々、話始めた
_________
「フフ、今日もあんまり変わらなかったようだね」
「そうだな…明日は少し蓮二と新しいトレーニング方法でも考えてみるか…」
(ズキンッ)
(なんだ…?急に胸が痛い…?)
「幸村!?大丈夫か?」
急に胸を強く握り締める幸村に真田は心配そうな顔をした
(今、お前にこの気持ちを伝えれば楽になれるのだろうか…)
少し早まる鼓動を抑えながら俺はボーッと考えた
「あぁ、大丈夫…。真田、苦労をかける」
そしてまた笑みを浮かべた
嫉妬と焦りを誤魔化すように....
-いつまでこの気持ちを押さえることが出来るのだろう
俺と同じく笑みを浮かべた真田を横目に静かに目を閉じた
いつか横にいる君に告白できる時を考えながら...
(好きだよ)
(…真田)
fin