ICE CANDY BABY

□お前が悪い
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ミズサワはいじわるな上に、変態でした。







「うあッ、んっ……ぁ、ミズサワ、」
「黙れ」

こないだ下宿に遊びに行って以来、スキあらば仕掛けられる、変態的イヤガラセ。
これが2回目じゃない。
えーとたしか、4回目。いや5回?6回?
わかんないけど、おかんの帰宅時間をしっかり把握するくらいには、ミズサワは頻繁に我が家に上がりこんでる。
ちゃっかり晩飯を食っていく姿も、すっかり見慣れた光景だ。



「…あぅ、ぁ…んっ!も……気持ちぃ…」
「黙れっつってんだろ…」


これはもはや、イヤガラセになってないぞミズサワくんよ。
だってすげー気持ちい。

「ひぁっ…!そこ、や…っ、」
「ん?」
「やだ!…や、あぁッ!」

中に埋まった指がヤダって言ったとこばっか擦る。さっき出したばっかなのにまたすぐいってしまいそうだ。
流れた涙を耳ごと舐めとられて、肩が勝手に震える。

「泣くほどイイ?」

耳かじったまましゃべるのヤメロ!
息が漏れるばかりで、なんにも言葉にならない。
ブンブンと頷くと指がやっと出ていって、硬さを持ったミズサワのが入り口に押し当てられるのを感じた。
蹴り飛ばすなんて選択肢は、もうアタマになかった。
けど、指とは比べ物にならない圧迫感にカラダが勝手に逃げてく。

「や、…ぅ、無理…ッ!」
「力抜けって」
「…!ミズサワ、やッ…、いた……」
「もーちょっと…」
「むり……いッ!!」

叫びそうになった声は手のひらに吸い込まれた。
同時に熱い塊が中をぐっと押し広げる。
無理だっつってんのに、コイツは!!

「んー!んー!」
「ッ、はーー……、無理か…」
「んーー!むー!!」
「あ、ワリィ」
「ぶっ、はァ、…こ、ころす気か!鼻までふさぐなっ!!」
「お前が悪い」
「?!」

肩を押した手を勢いよく掴まれて、思いっきりメンチ切られる。
いじわるな上に変態で、しかもこれは犯罪者な発言だ。

あのね!口も鼻も塞いだらね!しんじゃうんだよ普通の人は!
そして悪いのはおれってどーゆーこと?!

「…お前が悪い」
「なッ、ん、つーか抜けよ…!」
「エロすぎんだよ」
「えろ?」
「キモチイイとか言ってんじゃねーよ」
「だっ…、しょ、しょーがねーだろ!」

そーゆう風に触られたら誰だって気持ちいっつーの!健康な男の証拠だ!

「誰だってとか言ってんじゃねー」
「……ッ!」


先だけ埋めてたミズサワのが、勢いをつけて入り込んできた。

「ぅ、……んっ、」
「…ッ、無理そう?」
「む、むり……っひ…く、無理ぃ…」
「ワリ。あー……、…泣くな」

謝りながらも出てく気配はない。
無理!!熱い苦しいちぎれる吐く!いつもみたいに首キメられたり、おもっきし叩かれるよりぜんっぜん、痛い!

にじむ視界でなんとかにらみつけると、口に口を押し付けられた。
くそ、これホントやだっつってんのに。口くっつけるなんてまるでキスじゃねーかふざけんな。
こないだおれが本気で切れたら、じゃーやんねーよって言ったくせに。

ほんの一瞬で離れていった口と一緒に、中に埋まったものもずるっと出ていった。

詰めていた息をやっと吐き出して、きしむ体をなんとか起こす。
同じように大きくため息をついたミズサワの頭が、肩にこてんと乗っかった。


「…どーしても無理?」
「まだ言うか!!」
「チッ」
「無理ったら無理」
「くそ、つらすぎだっつーの…」

ミズサワの腕が首にからまる。反射的に身構えたけど、いつもみたいにキツク締められることはなかった。
つらすぎって、おれの方が明らかにつらいし。





急に抜かれて、まだそこに違和感が残ってる。
じんじん痺れておかしくなる。

ホントに奥まで入っちゃったら一体どうなるんだろう。
そん時おれは、ミズサワに負けたってことになるのかな。

なんつーか、取り返しのつかないことになる気がする。
目を閉じたままメチャクチャに走って、今いるところには戻ってこられなくなる予感。




こわい。
いままで好き放題されてたけど、キモチイイからってつい流されてたけど、急にこわくなった。
こいつはイヤガラセするだけで別になんとも、思わないんだろうか。



妙におとなしくなったミズサワに手をのばす。

ほっぺたに触れて、そっと抱き付く………ふりをして仕掛けたヘッドロックはきっちりバックブリーカーで返された。
全裸でプロレス技かけ合うって、どんだけシュールな図だ。






勝敗は持ち越し。とりあえず、まだ、今のところは。











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